冬桜

丘へと登る坂道の脇には、冬桜が咲いている。10月ごろから咲きだして、少しずつ花の数がふえてきた。春の桜よりもつつましいが、あたりをほんのりと明るくしている。春だと、この同じ坂道が桜の花びらに染まる。

丘の上の木々は葉が落ちて、裸木になるのももうじきだ。さまざまな鳥たちを止まらせて、何百年と生きてきた木々は、ここを通る人たちの変遷もみてきたんだろうな。そう思うと、まっすぐに空へと広がっていく欅(けやき)の木たちに、ときどき話しかけてみたくなる。昔の人たちはいったいどんなふうだったのかと。そして、いつかここにこなくなるだろう私のことも覚えていてねと。それからチビまる子のことも。

丘の上までのぼってくる人もしだいに少なくなってくるこの季節。気持もなんだか下向きになってくるけれど、チビまる子は元気な姿で出迎えてくれる。

今日はひさしぶりに二匹で遊んでいる。少しずつ、チビも自立しつつあるのか、以前にくらべると、二匹でくっついていることが少なくなった。



チビもいよいよおとなのオス猫になったのかもしれない。大きさも、まる子とほとんど変わらなくなっている。以前ほどビクビクしなくなり、まる子の動静ばかり気にすることも減ってきた。

いつも上までやってくるワンコがきて、まる子のところへと行きたがる。まる子、例によってかまえるが、赤い服を着たプードルのほうは平然としている。ねえ、遊ぼうよ。そういってるみたいだ。同じくらいの体の大きさだ。
モカもさっそく仲間に入りたそうにしてみている。ワンコたちがきてくれるので、晩秋の風景も明るくなる。

このごろは、下へおりると真っ暗だ。今日は、毎年冬になると点灯するイルミネーションの試験点灯。これがつくと、いよいよ冬がくる。

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