爛漫

チビが花見? なんてね。チビの背中はそんな雰囲気だ。本当は鳥か何かをみてるだけかもしれないが。でも、丘の上に咲く桜のふんわりとしたこの空気は、猫にも伝わっているらしく、猫たちも上機嫌だ。

ようやく満開になった桜の野を猫たちが駆け回っている。相変わらずの強い風に桜の枝も激しく揺れているが、それでもまだ咲いたばかりだから、花吹雪にはならない。風の又三郎が、きっと春を楽しんでいるのかもしれない。

ひとしきり遊んだあとは、まる子、また木に登る。まる子とチビは、お気に入りの木がちがう。すばしこいチビはかなり高い木にも登るが、まる子はあまり高い木は選ばない。それはそうだ、この体だもの。

まる子はこの木の股になっっているところに体を預けるのが好きらしい。しばらくリラックスして、降りるときは後ろ向きになって滑り落ちる。自然のキャットタワーは降りるのが大変なのだ。ズリズリズリと。

暖かくなって、池のまわりの猫たちもほっとしている様子だ。

ヒメは先日、ほかの猫と喧嘩をしたのか、土に汚れて、耳に怪我もして、風の冷たさが身にしみる日暮れ時、坂道の脇にしょんぼりとうずくまっていた。どうしたの、と声をかけると、まるで私を待っていたようにニャッと答えて、ねぐらに帰って行った。ずっと気になっていたが、どうやら元気を回復したようだ。みかけよりもずっと強い猫だ。

ヒジキもアズキも、暖かい陽気に誘われてうつらうつら・・・。今年も厳しい冬を乗り越えられてよかったね。なっちゃんやモミジには、このごろなかなか会えずじまいだ。池のまわりは桜をみる人でごったがえしているから、どこかに避難しているのだろう。

往復する道のわきにも、さまざまな花が咲いている。道端に咲く花がこんなにもあったのかと驚くほどにさまざまで、どれも雑草をかきわけて、けなげに咲いている。

今日は一つ、うれしいことがあった。静岡市の駿府城公園で、猫のえさやりを23年も続けているというボランティアの方から連絡を頂いたのだ。みるにみかねて自宅に引き取った猫も8匹だという。しかも、その方のお年は、なんと83歳。元気の秘訣は、公園で待っているあの猫たちのために元気でいなくてはという一心からだそうだ。

 

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