ぎゅっと抱きしめたい

tilt lens photography of white flowers

辛いときには、ぎゅっと抱きしめてほしい。
ただそれだけで、人は前に進める。

【2年前のシロ どこかに顔を突っ込んだらしく、黒く変身】

それは、おとなになっても、いくつになっても、変わらないこと。
頂いたコメントに、シロをぎゅっと抱きしめて、そして保護ができたらいいね、とあって、ほんとにそれができたらどんなにいいだろう。

【古墳へと続く坂道。シロの行動範囲は広く、それも難問の一つ】

シロは、人が怖くてしかたないんだね。
ここの猫たちは過去に、みんなひどいめにあっているからね、無理もないよね。
餌に毒を盛られたり、虐待にあったりしたというのだから。
そのころは白猫は他にも数匹いたというのに、シロだけになってしまったんだから。
人懐こい猫から順にやられたという。
臆病で警戒心が強いから、シロは、これまで生きてこられたといってもいいのだし。

そんなに怖いのなら、もうこのままそっとしておいてやったほうがいいのかなあと、迷うこともある。
恐怖を何度も味わわせたくはないと思う気持も強い。
それで、じっとこちらを見ているシロに、たえず話しかける。大丈夫だから、あたしを信じてと。

あんなに苦労して捕獲器を置く許可を市役所からもらったというのに、シロはさっぱり関心を示さない。
慣れるまではと、入っても扉が閉まらないようにしてあるのだけれど、中に餌を置いても知らんぷり。
たちまちアリがたかって、すぐに回収しなくてはならないから、シロにとっては、けったいな箱がおいてあるなあという感じでしかないようだ。

【早朝の公園。駐車場もあいていないので、人はまだ少ない】

きのうは雨が降ったりやんだりで、人はまばら。
それで、シロに、餌をちょっと離れたところにやり、いつものように、ゆっくりとつきあった。
あづま屋の近くでシロも、遠巻きにして私のことを、用心するような、なにをしてるのというような顔でしばらく眺めていた。

ちょっと離れているけど、シロとこんなゆったりした時間が持ててよかったなあという思いに包まれた。
ふっと、昔よく口ずさんだ童謡が出て、シロの緊張も融けた気がした。
ふいに抱きしめてやりたい衝動に駆られたが、こちらが動くとまた離れてしまうから、こらえた。
ほんと、ただ抱きしめてやれたなら、どんなにかいいだろう。

保護ボランティアさんはもう一度網で、と言うが、私の中では、もう手術にまにあわなくてもいいから、距離が近づくのを待って、あまり負担をかけない方法でできないものかという考えも強くなっている。
ここにいるよりは、もっとゆったりとした暮しができるだけでもいいのではないかと。
揺れ動く気持の中で、信じていいんだからね、と言って、シロをぎゅっと抱きしめてやりたい気持ばかりがつのる。

そういえば、ミーナも触れるまで半年もかかり、自由に触れられるようになった今でも、まだぎゅっとはできない。軽く抱きかかえるのがせいぜい。
シロには、そんな猶予はないものね。

この投稿をみた人から、ツイッター上で、捕獲するときはクールに、仕事師になって、というコメントが寄せられた。
そうだ、と眼が開いた。感情を捨てて、クールにいくことも、ときには必要だ。

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