眠れ、よい子よ。

三匹の黒猫たちが保護猫の人に引き取られていくところ。抱き上げられた猫は、きょろきょろと、あいたばかりの小さな眼であたりをみている。差し伸べられる手が、優しげだ。

ずっと何日もキャリーバッグに入れられたまま、ゆらゆらと揺られて公園の中を回っていた子猫たち。とりあえずようやく落ち着いた生活ができ、やがて里親さんの元へと行ってくれることだろう。

子猫はわりあい引き取り手が多いと聞く。どうか三匹とも里親さんがみつかることを祈りたい。
「この子たちはラッキーだわ。こんなに小さくて捨てられたら、普通は生きてられないもの」
保護猫団体のリーダーさんの言葉が耳に心地よかった。彼女と実際に預かってくれる人、ともに明るくて優しげな声。猫たちはきっと幸せになれると確信した。

里親探しといえば、チビの里親さんも決まった。ここ半年ほどずっとチビの元に通い、見守ってきてくれた方だ。以前にも猫を飼っていたそうで、猫の扱いにも慣れていて保護猫も一匹飼っている。まる子が去ったあと、ずっと一匹で暮らしてきたチビにとっては、いい相棒になるかもしれない。

問題は、チビを捕まえること。私たちに慣れているとはいえ、まわりの気配に過敏な性格。こちらの緊張が伝わらないようにしなくてはならない。

今、古墳のあたりは草刈りの真っ最中。日中は草刈りの轟音に怯えていたようなので、夕方は少し遅めに行った。初めはやはりオドオドしていたが、餌を食べ終わってあたりを見回して、おやっと思ったようだ。
なんだかいつもと様子が違うぞ、といった感じ。

昨日までは、階段のあたりも、深い草で覆われていた。

そうして、これはいいぞ、と思ったらしく、あちこちの探検が始まった。木に登り、崖の上であたりを見回したり、急に隠れ場所を失って、まごまごしているバッタを追いかけたり。楽しそうだった。

けれど、これから冬がやってくる。自分たちもいつまで通えるのかという不安を抱えている。あちこちと居場所を変えるチビも、捨てられていた黒猫たちも、安住の場所でのんびりできるといいね。

初冠雪のあと、富士の雪はすっかり消えた。

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