ビートルズの光

photo of assorted acoustic guitars

きのう、NHKの番組にビートルズの映像が映っていた。
ミーナが私の隣りで毛繕いをして、そろそろ寝る時間。
少し撫でたり、ブラッシングをしてやったりしながら、懐かしくて眺めていた。

ビートルズが出始めたころのイギリスは、階級社会だったという。
王侯貴族、富裕層、そして労働者階級に区別されていて、ビートルズは労働者階級の出身だった。

そのせいか、歌だけでなく、彼らの影響は世界中に広がり、各国を公演して歩く。
アメリカ公演では、それまでは白人と黒人の座る場所がはっきりと分けられていたのを彼らが一緒にしたことで、大きな波紋や共感を呼び、政治的な影響も強くなったようだ。

そのころの自分は、中学生から高校生へと変わるころ。
テレビのニュースで、飛行機から降りてくる彼らの法被姿を眺めていた。

【画像は、インターネットから引用しています】

特別にビートルズが好きだったというわけではないけれど、ビートルズの存在を感じながら育ったようなもので、エルビスプレスリーの大ファンだった友達の家に寄っては、よく聞いていた。

その友達も私も、友人は少ない方で、二人はよくレコードを聴きながら、ありがちな話をしては夜更かしをした。
結局遅くなって、その友達の家に泊まることもあったが、一度も彼女の家族の姿を見たことはなかった。
当時はまだ珍しかったコンクリート製の大きな家だった。

【白鳥草】

自分の家が大家族だったから、ひっそりとして、ほかの声が聞こえない家は不思議でたまらなかったが、家族のことを尋ねることも憚られるような空気で、ついに彼女の家族のことは知らずじまい。

たがいに進路が違って、郷里を出てからは連絡をとりあうことはなかった。
年月が過ぎ、同窓会に出席したときに、彼女の家の近くに住んでいた級友から、彼女が長く入院しているのだと聞いた。

「精神病院」だという。
それで私はその病院のある海辺に行き、病院の近くまで行った。
もしかすると、彼女が病室の窓から海を眺めているのではないかと思ったからだ。

【種差海岸】   八戸市観光案内より

病院は、海辺に近い高台にあり、壁やフェンスで囲まれた庭には噴水やベンチがあって、海を眺められるようになっていた。
いったい彼女になにがあったのだろうか。
大学に進学したことまでは聞いていたけれど。

エルビスプレスリーとビートルズ。
輝いていた彼らの歌に、いっそう心が揺さぶられるようになった。
でも、やっぱり私はビートルズだな。

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photo of assorted acoustic guitars

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