猫は楽天的なんだよって、そう言ったのは動物病院の先生。
「人間とちがって、あれこれよけいなことを考えないから」
たしかに猫たちを見ていると、そんな気もしてくる。
どんな環境であっても、そこを住処と決めたら、そこが一番だと思っているようにみえる。
人間のように、誰かと比較して自分のことを否定することもないし。
ただ、まっすぐに、生きることに前向きだ。
まだ、チビとまるこの餌やりに、古墳の丘に通っているころに、譲渡会に行ったことがあった。
それこそ、目鼻立ちがかわいい猫やきれいな猫もいたが、私がみとれたのは、黒い普通の子猫だった。
昔、手のひらに乗るほどの黒猫を保護して育て、そして、見送った記憶が蘇った。
その猫とそっくりな黒猫を見て、思わず連れ帰りたいと思ったが、なんとか諦めた。
なぜかというと、譲渡会に行ったのは猫をみるためではなく、古墳の丘のチビとまる子もできることなら譲渡会に出して、里親をみつけてやれないものかと考えていたからだった。
その頃の私は譲渡会のことを何も知らなかったのだ。
今考えれば、無茶な話だった。
チビとまる子は、結局それから五年もたってから、丘の上にやってくる人に里親さんになってもらったのだが、今ごろになって、譲渡会のことをようやく理解できるようになった。
今度の日曜日、シロのことだけでなく、公園のほかの猫たちのことまで世話になっている日向っ猫さんのところで、譲渡会が開かれる。
なので、その猫ちゃんたちの紹介をします。
日向っ猫さん、今度、家庭動物管理士の資格認定の更新が叶ったそうです。
ペットシッターやペットホテルもやりたいという目標に向かって、着々と前へ進んでいる様子。
今の保護猫活動やTNRに加えて、近々、実行に移す予定でいるそうです。楽しみです。
それぞれに事情を抱えて保護された猫たちだ。
保護されなければ、こんなふうに元気に暮らしているわけがない。
そして、つぎの誰かが、この子たちの命をつないでやってほしいと思うのです。
それこそが命のリレーではないのかと考えてます。
ひまわりちゃんは左目が不自由だけれど、気難しいシロちゃんに唯一、鼻チューができる。
とても楽天的な子なんです。