うまくいっていっていれば、自分への最高のクリスマスプレゼントになっただろう。
だけど、現実はやっぱり厳しかったな。
ある文学賞の予選を4次まで通過。
初めは、予選だけでも通ればと思っていたけれど、一時予選から通過していくにしたがって欲が出てきて、なんとか最後まで残れないものかと願うようになった。
というのも、応募した理由の一つは、最終の結果を決める選者に、もう一度自分の作品を読んでほしかったから。
かなり前の話になるが、その作家が選者であった賞の二席になったとき、その作家の手厳しい批評があって、それで二番になったのだという。
それ以来、今度、もしもその人に作品を読んでもらうチャンスに巡り合えたなら、その人はどう批評するだろうかという興味があった。
恨みがましい気持もないわけではなかったが、時間がたつにつれて、そんな気持は薄れ、むしろ、もう一度チャレンジするチャンスがほしいと思うようになった。
サムライでいえば、果し合いのような気持もあった。
もう一度、勝負! という感じ。
けれども最終には残れなかったから、そのチャレンジは失敗に終わり、自分へのクリスマスプレゼントにはならなかった。
残念という気持もあるが、そこまで行けた自分をせめてほめてあげよう。
だいたい、締め切りまであと二週間やそこらで思い立ち、書き上げたのだから、雑なところもあっただろうし、私の書くものは派手さがないと言われるとおり、わりと地味で目立たないのだ。
でも、それって性格なんだし、まあいいや、と思うことにして、リベンジは終局を迎えた。
されど、考えてみるに、尻上がりに今年はいいことが出てきて、最高の年末にはならなかったとしても、まあまあいい年末で、ありがとうと、空に向かって言ってみる。
いろいろとありすぎた今年。
さあ、来年は、もっと穏やかに、そして丁寧に暮らそう。
目新しくはないけれど、いい習慣を繰り返していく先には、たぶん心地いい暮らしがあるだろうから。
さて、今年の最後の仕事は、蓮華寺池公園から姿を消した猫、ふじ子を探すことだ。
猫にひどいことをする事件があって、気にかかる。
どこかで餌をもらっていて、ひょっこりともなにくわぬ顔で戻ってきてくれればいいのだけれど。
ひょうきんで食いしんぼで、甘えたがりのふじこのことだから、どこかでかわいがってもらえているだろうか。
ふじこ~と呼ぶと、よく山のほうから下ってきていたから、今日は山の向こう側のほうを回ってみることにする。
アズキバアバは風邪をひき、療養中で、公園にはいない。
そのそばにいたふじこの姿もない今は、公園に行ってもたださびしい風が吹くだけだ。
おうい、早く出てこいよ~。
そして、そのふっくらとしたボディですりすりしてくれよ~。