公園がクロスロード

【公園の出店で購入した下駄】

公園の散歩の何がいいかって、それは、私のように引っ越しが多く、孤独な人間にとって、誰かと会ってちょっとした挨拶をしたり、なにかの話をしたり、会話ができること。

家に閉じこもっていると、あまり話をしないから。
夫婦の話題はわりと限られているもので、広がりとか、突発的な面白みに欠けてしまうもの。

【公園内には、コーヒーショップなどの店もある】

それで、手短かにフィットネスクラブに通ったりもしたけれど、あまりなじめなかった。
そんなわけで、池のまわりを歩くようになったのだが、それだけでは物足りなくなり、坂道を登って見晴らしのいいところまで登るようになったのが運のつきというわけで。

古墳の丘で出会ってしまったのだ、かわいい猫たちに。
捨てられたらしく、お腹を空かせているようだった。

それが公園猫たちとの出会いの始まり。
下の池のまわりには餌やりさんがいるが、坂道を登って行く丘の上にまでは、行かない。

【まる子と名づけた】

それからずっと、里親さんがみつかるまでの5年間。嵐の日にも上まで通う毎日。
人生でこんなにまじめにどこかに通ったこことはない。

【至福のひととき】

梅が咲き、桜に続き、藤の季節へと、一年中、公園に花が尽きることはなく、人もまた尽きることはない。
家族がいない人、身近に誰も話す人がない人などの救いの場でもあって、ここはもう、単なる公園ではなく、さまざまな人々が行き交う大きな交差点のようなもの。

毎日のように顔をあわせる人々は、歩けるうちはここに通うといい、少しくらいの怪我をしてもやってくる。
挨拶だけの人もいれば、ちょっとなにか話す人もいるし、ふとした話の中で驚いたり笑ったり。

なんの束縛も責任も伴わない、ただの通りすがりという気楽さが人を自由にするようで、むしろ、話がはずむみたいです。
たまに、異質な人もいて、威張った感じの人もみかけるけれど、そういう人には近づかないし、向こうも近づけようとはしない。

外国人も多く、中国人や韓国人、インド人らしき人やノリのよさそうなブラジル人など、人種もさまざまなので、なんとなく異文化を垣間見ることもできるわけで。

このごろは暑いので、ほとんど体形まるだしのスタイルも多くなり、若い女性の誇らしげな姿をみるにつけ、まぶしくて眼をそらしたりと、ほんとに人間交叉点のような場所。

ときおり、猫たちもちょいちょい顔をみせてくれるしね。

みんな、この夏を無事に乗り切ってね。

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