いいこと、大変なこと、いろいろあった年末。
そのせいか、正月早々にダウンしてしまい、猫たちへの餌やりも、二日ほど休んだ。
ほかの人に頼み、たった二日ほど休んだだけなのに、まあ、アズキの対応の冷たいことといったら・・・。
呼んでも、返事もしてくれなくなった。
アズキよ、おまえのためにどれほど心をくだいてきたことか。
なのに、それはないでしょ。
恩着せがましくも恨めしくもなってくるが、待てよ、と思った。
ちょっとばかり、こいつの生き方を見習ってみようかと。
自分でいうのもなんだが、私は他人に気を遣いすぎるほう。(笑)
なので、軽く扱われやすい。
ああ、あの人は何を言ってもしても大丈夫、となりやすい。
けれど、あまりに軽々しく扱われると、やはり心にこたえる。
なので、そういう方とはそっとさようならして、アズキ流でいくことにする。
そのアズキ、これまで嫌っていたはずのふじ子と、今、微妙な関わり方をしはじめた。
これまでは、公園の問題児の大ちゃんに追いかけられて、元の場所からアズキのそばに移動してきたふじ子のことを警戒し、近づくと威嚇していたのだが、昨日は、自分の方からふじ子に近づいて、ふじ子のお尻の匂いを嗅いでいた。
これは、いけるかも!
おうっ、進歩したじゃないの、アズキ。
けれど、餌を食べ終わったとたんにまた、アズキは雲隠れ。
呼んでも返事もしない。
ああ、なんという冷たさ。
そう思いながら、今度はモミジのところへ急いだ。
池を渡ってくる寒風が吹きすさぶなか、モミジの呼ぶ声がした。
よほどお腹が空いている様子で、猛然と食べ始めるモミジ。
ラグビーボールのようにコロンとした体を撫でてやると、冷たく冷えていた指先があったかい。
モミジは食べ終わるとほっとしたのか、イルミネーションの明りの下で、毛繕いをはじめた。
そして、その先には大ちゃん。
問題児だが、憎めないやつ。
シャアシャア威嚇しながら誰よりもたくさん食べ、そのあとは、おいしいようと満足気な声をあげる。
冷たい風が吹く中で、この子たちはご飯の時間を待ちわびながら、今年もまた寒い外で冬を越す。
ごめんな、と心の中で詫びている。