ふじ子に愛を教わる。

髪を切った。
それもかなり短く。
美容院も変えてみた。
いつもカットのみで安いところに行っていたのが、何年ぶりかでちょっとだけましな美容院に行ってみた。
「こんなふうにしたいのですが」
と、短い髪のスタイルをお願いした。

そして、少しして、鏡の中にはだいぶ短くなった髪の私がいる。
「すみませんが、もっと短かくしてくださいませんか」
そういうと、美容師さんは、首を振った。
「これくらいにしといたほうがいいかと・・・」

「じゃあ、もうちょっとだけ」
そして、完成。
すっきりとしたのは髪だけではなかった。
なんと、気持までがチェンジ。
明るい顔の自分が、鏡に映っていた。

【ミーナも、あまりの変化にびっくりだ!】

つくづく時間というものはありがたいもので、猫の会での嫌な出来事のことは、もうほとんど気にならなくなり、汚泥のように胸に沈殿していた嫌な感情もどこかへ流れていったみたい。

さらに、いいことは、むしろ、今度のできごとで、学ぶことがいろいろあったことだ。
人生には、いくつになっても失敗やトラブルがあって、でもそれでまた一つ、階段を上れた気分になる。

それだから、いろんなことがあっても生きていけるものなんだろうなあ、としみじみ思うたのであります。
とにかく体を好きに動かせて、そして、まあまあなんとか食べられて、そばに話ができる人がいて、さらにはたまにしゃべりまくれる友達がいてモフモフできる猫もいる。

それがいつまでも続くわけはないけれど、でも、今あるものを堪能して喜ぼうと、つくづく、思うたわけで・・・。
そんなこんなをあらためて気づかせてくれたのが、今度のことでした。

どんなに好きなものでも、愛を注いだものでも、いずれは流れ去っていくもの。
それならば、この手にあるうちに、惜しみなく愛を味わい、楽しもうかと。

そういうわけで、ひさしぶりに、たぶん愛を知らずに育ったであろうふじ子に会いに行きましたら、そうしたら、初めは逃げ腰、遠慮がちだったのが、少しするとデレデレに甘えてきて、果ては鼻を近づけてきて、チューまでしてくれたのです。
餌を食べるときでさえ、近づくのを許さなかったふじ子が。

「愛は伝わっていたんだ~」
私はすっかり有頂天になり、前日に歩きすぎてくたびれていた疲れも吹っ飛んだというわけです。

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