グレ男とグレ子の物語

       写真 Jさん

今の住宅地に越してきたとき、近所の古い家に、グレイの毛並みがきれいな大きな猫がいた。そのうちに、その猫を小型にしたようなそっくりなグレイの子猫が現れた。グレ男とグレ子だ。そして、やがてそこに三毛猫の子猫きょうだいが加わった。

グレ男とグレ子は、私が保護したミーナの元の仲間たち。とくにグレ子は、ミーナといつも一緒だった。

ミーナはもともと、三毛男と一緒に生まれて、そして、猫屋敷と呼ばれている家の軒下で他の野良たちと一緒に暮らしていた。
それがまだほんの子猫のうちに、三毛男が死んでしまい、原因が事故とは思えないような傷だったので、ミーナも同じ目にあうのではないかと怖れて急いで保護したのだった。

【右が三毛男、左がミーナ。初めは三毛子とよんでいた。】

だが、野良たちに育てられたミーナはグレ子やグレ男を恋しがり、窓際から離れない日々が続いた。少しでも他の猫の姿がみえるとその姿を追って家の中の窓という窓を求めて走り回る。

離れたところならば諦めるだろうと思い、里親を探し、預けたのだけれど、野良暮らしの環境で生まれ育ったミーナにとってはハードルが高かったのだろう。トライアルは失敗に終わった。

トライアルから戻ってきたミーナは、グレ子やグレ男の姿が少しでも見えると、窓のそばで恋しそうに鳴く。あまりにかわいそうで外に出してみた。

写真 jさん

ミーナは喜び勇んでグレ子たちの元へと走って行ったが、思いもかけないことが起きた。
グレ子もグレ男も、もうミーナを寄せ付けなくなったのである。威嚇の声をあげ、おまえはもうここにくるな、と言いたげで、ミーナはなにかなんだかわからないという感じで引き返してくる。
人間の匂いがついたものは、野良たちは受け付けないのだということを後で知った。

すったもんだのあげく、ミーナをまた家にとじこめたあとが大変だった。どうしても外に出たいミーナは、ベランダを乗り越え、屋根から外に出ようとする。心を鬼にして、その対策に追われた。そうして2年がたったが、いまだにミーナは隙があれば外に出ようとする。

そしてこの6月、新たな問題が。近所でグレ子とグレ男に餌をやっていた人のことが問題になり、私も関わっていたために、捕獲し、「保護わんハウススマイル」に預けることになった。「保護わんハウススマイル」は、行き場のない犬や猫を個人で保護し、世話をしている場所だ。専用のハウスを自宅とは別に買い、犬猫たちを世話している。

【保護ワンハウスのニャンたち】

Home | 保護わんハウススマイル (hogowanhouse.com)

そして、今日、シロのこともひとまずおちついたので、ひさしぶりにグレ子たちに会いに行ったのだが、3カ月たつのに、二匹ともまだまだ環境に慣れていなくて、あいかわらずふーふーと威嚇ばかり。外に出られない暮らしになったことで、ストレスもだいぶ溜まっているようだった。

チュールが好きだったグレ子にチュールをやろうとすると、グレ男が、何をするんだとばかりに、ウーとうなり、庇う。
それでも運営者のAさんの手からはチュールを食べてくれるようになり、ちょっと触れられるようにもなったという話を聞き、少しほっとしたのだけれど。

帰り道、これでよかったのだろうかとかわいそうな思いが走ったが、グレ男とグレ子にはもう帰るところはないのだからと、言い聞かせた。棲みついていた家の主は高齢で認知症が始まり、グレ子たちをなんとかしてくれないかと言っていたわけで、加えてまわりは、野良たちにあまり理解がない環境だ。がんばって馴れてくれ、と願うほかない。

【昼下がりのミーナ】

でも、一緒に行ったJさんが、車の運転席で、これで安心したわ、と話すのを聞いて落ち着いた。救いは、二匹一緒に保護できたこと。グレ男とグレ子が一緒だということだ。
家に帰ると、のんびりと体を伸ばしてミーナが寝ていた。

※注 グレ男もグレ子も同じ右耳をカットしてますが、グレ男はオスです。

※ 迷い猫は、無事に飼い主さんがみつかりました。ありがとうございました。

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。
購読料はかかりません。アドレスが公開されることはありません。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!