さまざまなことを乗り越えながら、みんなの力が集まって、蓮華寺池に住む猫たちの世話をするボランティアの会が発足し、スタートした。
なんてことでしょう、こんな素敵な日がくるとは思ってもみなんだ。
人生には思ってもみないことが何度かあるんですね。
これまでの私の人生では、思ってもみないことが何度かあって、だから、人生は予想もしなかった方向へと行きっぱなし。
でも、今度のことは、いい方向へと動き始めてから、どんどん加速度がついて、「花猫の会」はできあがったんです。
思えば、これまでの公園の猫たちは、病気になったら死ぬのを待つという感じでした。
具合が悪くなった猫は、知らないうちにどこかへ消えていくから、放っておけばいい。
誰もが、それは仕方のないことで、むしろ自然なことだから放っておくのがいいと考えていたのです。
でも、皮膚がんのシロは、去年の春ごろから耳がしだいに融けていくように血を流すようになっても、自分の場所からいなくならなかった。
しっかり食べて、生き抜こうとしていた。
それを見ていて、できれば関わりたくないと思っていた私も、放っておくことができなくなった。
それでシロを受け入れてくれるところを探し、手術費用の寄付を募った。
たった一人でも、動けば風が巻き起こり、寄付も集まって、今、シロちゃんはのんびりと暮らしている。
そんなシロちゃんのことがきっかけになったのだろうか。
ようやく、市役所との連携もでき、サポートするシステムができあがった。
そして、今、問題になっているのが、風雲児の大ちゃん。
初めは駐車場の片隅の植え込みの中にいたのが、しだいに公園のほうにまで出張ってきて、あげく、公園中を歩くようになった。
それぞれ、自分のテリトリーを持つ猫たちは、大慌て。
それもそうだ、いきなりやってきては大声でわめきちらし、荒らしまわる。
これまで、それぞれの縄張りの中でのんびりしていしたのに、大ちゃんの出現で、居場所が変わってしまう猫もでてきた。
大ちゃんを捕まえて去勢手術をしようとしても、百戦錬磨の大ちゃんは、その手には乗らない。
いつも追いかけられるモミジ。
ふじ子は、自分のいた場所から逃げ出して行き場を失い、アズキのところでうろうろ。
そしてアズキは、崖のほうへと逃げる。
「花猫の会」に見守られて、安心して暮らせるはずの猫たちは、かなり戸惑っている様子。
さてこれから、どうなるのか、続きは、またあとで。
同じ場所に、姉の春子もいる。