その一言が、まずいのかな。

上から目線で物言う人をみると、なんだか、一言、なにか言いたくなるのが私の悪い癖だ。
そんなの、放っておけばいいのに。

やってしまったことはいろいろあるけれど、忘れられないことの一つ目は、この市にきてから数年たったころのできごと。
郵便局の前にある横断歩道で一時停止をしなかったということで、違反切符を切らされた時のことでした。

確かに横断歩道のわきに中年の女性が立っていたことには気づいていた。
立ってはいたが渡ろうとしているふうには見えなかった。

彼女は後ろを振り返ってそちらに歩きかけ、誰かを待っている風にもみえたから、私はゆっくりと行きすぎた。
すると、カモを待ち構えていたらしいパトカーが追いかけてきて停止させられ、あとはお決まりのコースとなった。

まるで、はい、一丁上がりという感じで、今日はここでいっぱいカモを捕まえたるぞという感じにも見えた。

確かに、止まらなかった自分が悪い。
そう思ったが、一つの疑問が浮かんだ。

信号無視の車やスピード違反や、明らかにルールを無視して走る悪質な車のなんと多いことかと。
なのに、そういう車が捕まっている現場にあまり居合わせたことがない。

それはなぜか?
疑問をそのままにしおけない性格で、それで質問をした。
「あの、警察ってね、捕まえやすい高齢者とか捕まえやすい場所とかで重点的にやってるんじゃないの?」

【頭を背中にうずめて】

するとそれまでは丁寧すぎるほどの口調で応対していた若いほうの警官が急に険しい顔つきになり、いきりたった。
「ちゃんと悪質なのも取り締まってますよ!」
と言い、どれだけ自分たちが苦労しているかということを、激しい口調で語りだした。

「そうですか、それならいいのですけど。でも、そこまで怒るところを見ると図星なんじゃない?」
すると、相手はますます激高したが、もう一人の年長の警官が押しとどめた。

でも自分が違反をしたことは事実なので切符を受け取っておとなしく立ち去ったのだけれど、そういえば、横浜にいたときにも、ちょっと似たようなことがあっなあと思い出した。

【公園の夕暮れ この季節は池に夕日に染まる山が映る】

二つ目は、乱暴な運転で有名だった神〇〇バスと、細い道でのすれ違いざま、軽い接触を起こしたときのことだ。
あのときにはすぐに警察を呼び、結局バス側の方が悪いということで一件落着したのだったが、警官が駆けつけてくるのを待っている間、威圧的な様子の相手が「おばさんよう・・・」と威嚇してくるので、つい、私も反論したのだった。

すると、いつのまにやら、まわりに人だかりが起きていて、狭い道なので渋滞が起き、見物人はさらに増えていった。
ちょうど、いつも行くクリーニング屋さんの前だった。

それからは、クリーニング屋さんに行くたびに、「あのときの奥さんの迫力、すごかったねえ」と言われる羽目になった。

たしかにそんな時には、なにくわぬふうをしてやり過ごすのが賢明だ。
相手にするなんてくだらないし、無益なことだと。

そのことを、さすがに最近はわかっているつもりになっていた。
ところが昨日、またしてもやってしまった。

【シロサギ ゴイサギ】

昨日の国保の検診日での駐車場でのことだ。
保健センターの駐車場の出口は、表示だと2か所にある。
検診が終わった私は自分の車に近いほうの出口から出ようとし、通路に出ようとした。

すると、駐車場の案内をしていた制服姿の怖そうな顔のおじさんが、今にも私のおんぼろ車を蹴飛ばしそうな勢いで近づいてきた。
そして、バックしろと怒鳴っている。

「こっちからは出られないから、あっちへ行け」
「だって、出口はすぐそこじゃないの」と私は言い返した。

だが、係員はバックしろと怒鳴るばかり。
説明も誘導もせず、怒鳴るしか能がない彼にだんだん腹が立ってくる。

すると少しして、係員は、「検診がある日は混むから一方通行になっている。そこの出口からは出られない」とようやく説明をしてくれた。

「それなら、そっちの出口には行けないという標識かなにか立ててくれないとわからないでしょ」とつい、言ってしまった私。
するとおじさんは、「われわれは上からの指示で動いているだけだから、文句があるんだったら、上に言え!」とすごい顔でまくしたてた。

【ふじ子はこの階段をのぼって、最後の姿を見せた向こう側のお寺へと移動していたようだ。】

それで、家に帰ってから、彼の言う通りに保健センターに電話をし、通れない出口への矢印やら看板がそのままにしてあるのだから、そこになにか、通行禁止の目印になるようなものを置いてくれたら一目でわかるのにと伝えた。

するといかにも役人口調の相手は、どこかにちゃんと看板があるはずだと、丁寧ではあるけれど譲らなかった。
そんなの、少なくとも目立つところにはなかったし、検診は2時間ほどで終わるのだから、その間くらい、目印に赤いコーンでも置いてくれればいいのにと思いながら、それ以上話しても無駄な相手だと思い、電話を切った。

そろそろ車の運転も限界かなあとしみじみ考えさせられた日になり、さらには、自分の一言で失敗した数々の経験を思い出しながら、力の入った夕方のウォーキングになったしだいであります。

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。
購読料はかかりません。アドレスが公開されることはありません。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!