アズキのことをアズキバアバと言っていたら、バアバというのはやめてほしいようというコメント。
アズキのことが大好きだという方からで、それで、バアバはやめることにした。
もともと、アズキという名前は、餌やりさんがつけた名前。
滑舌がよくないぼくには、なかなか言いにくい名前なので、昨日は、試しにアズた~ん、と呼んでみた。
すると、語感がよかったのか、前日は、全くつれなくて、寄るな触わるなという態度だったのに、アズたんはご機嫌もよろしく、いつものように逃げ腰でなく、ぼくが手に載せたおやつを食べて、そのあとは撫でようとしても逃げなかった。
おおっ、これは保護にも希望が持ててきたぞと、ひさしぶりに、いい気分。
そして、去年の今頃、扁平上皮癌で片耳から血を流しながら歩いていたシロのことを思いだした。
あいつもな、捕獲に失敗してから、大変だったなあ。
捕獲トライを始めてから、3カ月もかかったもんなあ。
捕獲しようとしたのは初夏。保護ができたのは、9月に入ってからだった。
アズたんは、それ以上に大変そうだ。
シロは用心しながらも、食欲があったから、餌をやるときには距離をとりながらも近くまできてくれたが、アズたんは食べたり食べなかったり。
撫でさせてくれる日があるかと思えば、ぼくを避けて隠れたまま出てこようとしない日もある。
そうかと思えばデレデレと甘えてきたり、日毎、くるくると変わる態度。
その気にさせておいて、つぎの日には、あんた誰? なのだ。
好きな人に振り回されてでもいるように、ぼくはすっかり、たじたじで。
なんだかアズたんの前世は、魔性の女だったのかもしれないなどと思ったりしてしまう。
それで、今のアズたんはとりあえず元気なのだから、このままでもいいかなあとも考える。
でもやっぱり、植え込みに隠れていても、絶えずそばを通る人の気配に落ち着かないアズたんを見ていると、のんびりとさせてやりたいなあと、気持がまた揺れる。
そんなわけで、ぼくは、とぼとぼと落ち込んだり舞い上がったりしながら、帰り道につく日々を送っているわけで。
アズたん、そろそろ、魔性の女を卒業してくんないかなあ。
バアバはやめるからさ。