ちょっとしたことがあって気分が沈んでいたとき、大阪時代の友達からこんな素敵な手作りの品(刺繍)が届いて、ふわっと気持が軽くなった。

私が関わった猫たち全員、テーブルに勢ぞろい。虹の橋を渡った昔猫のプリンもマロンもいて、ずっと餌やりに通ったころのまる子もチビもいて。ボヤキの心がなんだか救われた気分になった。友達って、いいなあってしみじみ思ったわけです。

ちょっとしたことというのは、この4月から当番制で町内の役をすることになり、まずは、町内会費というものを集めに回ったのだったが、最近の家は表札がない家も珍しくなく、名前がはっきりしないことで戸惑う。しかも昼間は留守の家も多いので夜に回ってみると、これが意外と大変なのだ。
まず坂道のところにある町なので、家の玄関にたどりつくまで階段が多い。しかも門灯がついていなかったりするので、危険きわまりない。
そのうえ、自分はまだ引っ越してきてから数年しかたっていないこともあって、なかなか二十数件ある町内の名前と家が一致していない。

なので、地図と入金のチェック表を作って回っていたのだが、重複してしまった家が一軒。留守で未入金だったお隣りと間違えてしまったのだ。
表札がないうえにポストにも名前がない。玄関にも名前らしきものがなく、さらにチャイムも鳴らない四重苦。声をかけてみて、やっと出てきてくださったと思って要件を伝えると、いきなり怒鳴られてしまった。
「あんた、昼間、払ったじゃないのよ」というので、チェックをみると、確かにそうだ。あっ、まだ頂いていないお宅は隣りの家だった。申し訳ないと平謝りをしたのだが、怒りは収まらない様子だった。

それはそうだよね。払い済みのものを二度請求されたんだもの。と思いつつも、せめて玄関に名前をつけていてくれればわかりやすいのにと、うらめしいやら自分の記憶力の衰退にも気づかされたわけで、しょんぼり。
そういえば、昼間もチャイムが鳴らずに困ったんだっけ。なんでそんなことを忘れちゃうんだろうか、認知症の始まりかあ、とまたぼやきつつ、本来の目的のお隣りの家へいき、なんとか最後の徴収を終えた。

キャッシュレスの時代なんだから、各自振り込みにすればいいんじゃないか、そのほうが払う側にとっても都合がいいいだろうに。なぜそんな提案がなされないままなんだろうかという疑問も湧いてくる。
そうして、ここにくる前に暮らしていた以前の町内のことまで思いだしてしまった。町内会費がえらく高いうえに、戸数も 多い。なので、集める金額は高額になる。他人様の金を、しかも高額となるとビビる。
そのうえ金庫まで預かり、お茶屋さんが多い古い町であることから、祭りの寄付金集めまであった。

寄付なんだからと気楽に考えていたら長老がやってきて、寄付といっても半強制だからそのつもりで、とおっしゃる。さらに、最低3000円以上だという。集める身にもなってみてよ、と思いつつ回ると、ある方は、「今まではこんなことはなかった。あんた、勝手にそんなもん作って金を集めてんのか」と、なんだか詐欺師呼ばわり。
呆然としていると、中からご主人らしき人の声がした。「今までもあったよ~」と。
まあそれで収まったのだが、こんなことやってらんないよ、と思って、集めた分だけを納めに行くと、今年はやけに少ないと文句を言われ、さんざんなめにあった。

あたしって、どうしてこんなにおっちょこちょいなんだろう。友人が送ってくれた刺繍の絵を飾りながらぼやいていると、テーブルの下で、ミーナが、ぼやいてる場合じゃないっしょ、と言いたげに私を見上げていた。「ぼうっとしてないで、アズキや姫をみに行かなくっちゃ」
そうだね、嫌なことは、いいことが起きる前触れだっていうしね。