だから、あまりあてにはできない。自分が思う相手から好かれると決まっているわけではないので、相手が人であれ、猫であれ、片思いの数は重なるばかり。それでも、長くそばに残ってくれる人もいる。
以前、大阪で暮らしていたころに仲よくしていた人から、思いがけない便りと手作りの品をもらった。彼女は絵を描いたり小説を書いたりし、いろんなものを手作りしては送ってくれる。
こんな手紙も入ってました。ほんとに、今の二匹が再会したらどうなるんだろう。
いつのまにか、家の中には彼女の手作り品があちこちに。アマビエ人形もちゃんと鎮座してます。右の手提げ袋は毎日のように使ってます。左は昔猫のプリン。上のコースターは、裏返すとこうなります。
ひまわりという名の犬を飼っている彼女も、動物好き。でも、私とちがって、人にも動物にもちょっと距離を置く。その距離感がちょうといいあんばいかもしれない、と思うことがよくあった。
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東海地方は、梅雨明け宣言。いよいよ、明るく太陽に向かって咲く、ひまわりの季節だ。風のようにくるくると気分が変わる猫たちも、日陰を求めて居場所を探す。ヒジキを失ってからのアズキは、ずっと元気がなく、歩くのもいざるようにしていたので、もうそろそろかもね、とみんなが噂をしていたら、なんと、崖の上の方に居場所を変えていた。
ここ一週間ほど姿がみえないので、心配していたら、ひょっこりと顔を出し、そこに大きなヘビが出てきたからか、みていた人たちが騒いだからか、一気に駆け上がる。けっこう急な斜面なのに、あれほど弱っていたのに・・・? みんな、びっくりしたそうだ。これまでの弱っていたアズキは、あれはなんだったんだ?
まる子は新しく、ピンクのキャットタワーを買ってもらい、これで運動不足を補えるだろうと考えていた里親さんの期待を一身に背負っているみたい。
けれど、チュールで釣らないと、あまり登らないのだとか。これではダイエットにならないと、里親さんはがっかり。でも、このタワー、まる子によく似合う。ピンクにこだわった里親さんの気持、これでわかった。
一方、チビの里親探しはままならない。いい知らせが風のようにやってきては、去っていく。まあ、焦らない、焦らない。
チビは、こんなところの猫としては、異例といってもいいほど穏やかな性格。爪も出さず、噛むこともない。撫でられてもいやがらないで、されるがまま。抱っこはできないが、抱えて持ち上げることはできる。なのに、運動能力は抜群。こんないい猫はあまり知らない。このまま、一匹だけで冬を越すことになるのはなんとかして避けたいのだが・・・。
夕方、チビはときどきこんな顔をする。すると私の心も揺れる。冬がくる前に、どうにかしてやりたいんだけどなあ。
猫の気持は、丘を吹き抜けて行く風のよう。とても近くにいてくれると思えば、なぜか遠巻きにしてあまり近づいてこないときもある。そんな日は片思いの、さびしい思いで帰ることになる。