それ、二の次、だいじなのは命

理不尽なことを言われて、謝れと迫られたときにどうするか。
つい最近、そういうことに出会った。

電話先で相手は謝れ、今すぐ謝れと大声で連発。
怒鳴り声に、スマホを持つ手が震えてきた。

どちらかというと、私は、揉め事を起こしたくないばかりに、自分のほうから先に謝るような性格。
そんな生き方をしてきたことを、いつからか改めようと思うようになった。
たぶん、寄る辺のない猫たちをなんとか守ろうと決めた頃からだ。

けれど、さすがに今回は、あまりの理不尽さに言葉が出ないどころか、体が先に反応し、震えてきた。

そんな折、たまたま、けさのツイッターを見ると、配達が遅れたという理由で、土下座させられている配達員の写真がアップされていた。

度が過ぎることが、このごろ多い気がする。
人々の心がすさみ、許容度がどんどん低くなっているなあと感じる。

【春子。葉を茂らせる藤の木の下が雨の日にも助かる】

「自分が法律」の人がはびこり、極端な行動をとる人がふえた気がしてならない。
そんな人と関わりを持ったら、こっちがもたないから、できれば近づきたくないが、関係が生じたときは厄介だ。

今回、謝れと電話で怒鳴ってきた人は、長年、猫に餌をやってくださっている方。
そのことはとてもありがたいし、なかなかできることではないと、感謝もしていた。

けれど問題は、猫になにか異常があっても見て見ぬふりをすることだ。
自分でなんとかできなくても、なにか方法を探ることぐらいはできないのだろうかと思う。

【幸いにも手術にこぎつけたシロは、今は日向っ猫さんちで、のんびり】

扁平上皮癌のシロのときもそうだった。
彼女だけでなく、通りすがりの人々も、可愛そうだと言いながらなにもしなかった。
これが野良猫の現実なのだと私も思ったが、どうしても知らんふりはできなかった。

けれど、その後も、彼女は、交通事故で顎をやられ、餌を食べられずに苦しんでいた猫も放置していた。
お腹がすいて食べたくて、でも食べられないで、かなしげな声で鳴いているその猫を見たときは涙が出た。

【臆病でいつも植え込みに潜んでいたサビ猫は、最後は助けを求めるためか、ここに出て鳴いていた】

彼女に尋ねると、もう二週間も前からだという。
苦しんでいる猫を、二週間もそのままにしておくなんて。

放っておけず、仲間たちと話し合い、日向っ猫さんに連絡。

さっそく日向っ猫さんが病院に運んでくれたが、すでに手遅れで、翌日、サビ猫は息を引き取った。
成猫なのに、体重は2.4キロしかなかったという。

彼女は、アズキの保護の話が出たときも反対し、今でも協力的ではない。
なので、管理している市役所に介入してもらい、結果、彼女もしぶしぶながらも承知してくれた。

アズキはノミアレルギーで、皮膚炎になりやすいのでノミダニ薬は必須。
薬の滴下もされず、放置されていたアズキにはマダニが何匹もついて、悲惨な状態だった。

【ほかにも数カ所ついていた】

そんなわけで、高齢ということもあって保護ということになった。

だが、肝心のアズキの捕獲がなかなかうまくいかない。
それで、とにかく薬の滴下だけはすることになって、数日前にも滴下した。

すると彼女は、電話で、自分がやるつもりでいて、薬が重複するところだったと怒り、謝れの連発。
自分はできないと言っていたはずなのに、いつのまにか言うことが変わっている。

私も黙ってはいられずに、「あなたができないと言うから、こちらがすることになっていたではないか」と説明をしようとすると、「言い訳ばかり言うな」とまた怒りの連打。

【天国では、いっぱい食べられるね】

心が折れそうになり、動揺して、スマホを公園に忘れてくる始末。

彼女は、どちらが優位に立つかということにこだわるが、そんなことは二の次で、どうでもいいことだ。
大事なのは、たとえ野良であろうと、せめて、命は大切に扱ってほしいということだ。

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。
購読料はかかりません。アドレスが公開されることはありません。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!