たにゃとパパさんのことを思う。

あのたにゃが危ない。
病気で、命が危ない。
たにゃパパさんは、必死にたにゃを助けるために頑張っている。

たにゃをツイッターで初めてみかけたときは、激しく胸を突いてくるものがあった。
こんな劣悪な場所で生き抜いてきたんだなあ、なんて強くて魅力的な眼をした猫なんだろうって。

そして、その猫の世話をするようになった一人の男性の熱い思い。
それが、読むたびに溢れてくるようで・・・。
読むほうも、心配になったり、うれしくなったり・・・。

そのころ、私も公園の白い猫の保護に向かっていて、白い猫同士、励ましの言葉をパパさんから頂いたりもした。
公園の白猫は、皮膚癌で耳がどんどん欠けていくような状態だった。

【捕獲を試みていた頃のシロ】

なかなか保護ができず、じりじりと時間ばかりが過ぎていく。
たにゃのほうもまた、保護に向かっていたけれど、やはりなかなかうまくいかず・・・。

そんな中、公園の白猫はもう耳がなくなる頃にやっと保護できて病院で手術を受けることができ、今でも元気に暮らしている。
ひと月ほど遅れて、たにゃも保護されてパパさんとの暮らしが始まったのだった。

【保護されたばかりのたにゃくん】

パパさんがまだ、ツイッターをはじめたころには、フォロワーが100を超えたよと喜んでいたのもつかのま、あっという間に1000を超え、そして、数万となっていく。
たにゃの魅力が多くの人に知られて本を出版することにもなり、そしてそれが、ベストセラーとなっていった。

階段を駆け上がって行くたにゃとパパさん。
でも、それからも、たにゃとパパさんとの面白いやりとりは変わらなかった。

本当に、猫と人間ではなくて、一対一の人生の同士のようだった。
たにゃの圧倒的な存在感と、剽軽でちょっと頼りなげなパパさんがみょうに相性が良さそうで。

どちらが頼っているのかわからない二人の絆は、見ていて楽しくほほえましく、ときにはかわいくもあり、その絆は誰にも決して切れないもののように思えた。

そして、パパさんは、たにゃとの将来を見据えていろいろ考えを巡らせていたようだ。
出版された本もたくさん売れて、たにゃとの将来も盤石にみえた。

それが、なんということか、ある日、突然にたにゃの病気が発覚して、そしてしかも、余命もあまりないということをXで知った。
衝撃で、しばらくはぼうっとするばかりだった。

いくらなんでもまだ早すぎるよ、神様。
もう少し、二人にのんびりとした暮しをさせてあげてよ。

これから、いくらでもたにゃとパパさんとのくらしは楽しくなるはずだったではないか。それなのに・・・。
でももしかすると、奇跡が起こるかもしれないという淡い期待を、たにゃとパパさんのファンたちはみんな持っているだろう。
なのに、パパさんのXには、厳しい現実が書かれている。

【優しい顔つきになっていった】

けれども、救いなのは、最近の写真のたにゃの強い視線。
見る人の心を射るような・・・。

嘘もおだても全く通じないその視線には、あいかわらず惹き込まれる。
だから、つきつけられた現実を信じる気にはなれない。

二人とも、もう充分に頑張っているのだから、これ以上頑張れというのは酷な気がするけれど、この視線があるかぎり、きっとまだたにゃは大丈夫かもしれないという気もしてくる。

たにゃになにかあったら、ぼくも・・・みたいなことを書いているパパさん。
パパさん、そんなことをしてもたにゃに追い払われるよ、きっと。

ぼくはそんなにやわじゃないよって。
ぼくにあんまり心配をかけちゃだめだぞって。
ぼくのほうが、困るよって。

たにゃの背中が、そう語っている気がするんです。

※たにゃの写真は、一年ほど前に許可を得ているものです。

たにゃとパパさんの様子は、X @kabukinoraneko  で見ることができます。
なお、7月30日の投稿には、たにゃのトートバッグのことが書かれています。
これは、たにゃの医療費のためのもので、バッグの代金が寄付になっています。
関心のある方はよろしくおねがいします。

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