公園の猫たちの見守りに、大きな変革が起きている。
これまでの会の強権的で閉鎖的なやりかたから、風通しの良い協力体制へと。
この問題に長いこと見て見ぬふりをしてきた市役所が、なんと動き出してくれたのである。
時期がくれば担当が変わるから、問題の先送りを繰り返してきた市役所も、ここにきて、ようやく前へ!
長いこと続いた悪しき慣習は捨てて、新しいグループへと生まれ変わった。
なにしろ、聞く耳を持ってくれたのは何よりの進歩です。
しかも、率先して協力的になってくれたことに感謝です。
公園はなんといっても市の管理ですから、協力がないとなにもできないのです。
市の職員や保護ボランティアさんの力が合わさって、あっというまに大きな力になった。
足許に生まれた小さな風の子が走りだし、つむじ風が起き、やがて大きな風を呼び込んでくれた。
サアーッとさわやかな風が吹き上がって、天へと昇っていくような感じがします。
物事って、初めはほんのわずかな変化から。
それが大きな風や波を起こすと、もう、誰にも止められない力となる。
なによりも、これまで見過ごされがちだった猫たちの病気や事故など、なにか起きたときの体制ができあがったことが一番だ。
これまで、見捨てられてしまった猫たちも、これで浮かばれるだろうな。
野良なんだからしょうがないでしょ、なんてことは、なるべくないようにしたいよね。
命には、重いも軽いもないのだから。
池の周りを歩いていると、ニャツと、呼ぶ声が茂みから聞こえてくる。
腹ををすかせている声だ。
そうか、そうか、ご飯をくれと呼び止めたのか。
だがな、きみたちは幸せだぞ。
何日も食べるものにありつけない子たちが、たくさんいるんだからな。
世界には戦争というものがあって、子供たちが泣き叫んでいる現実もあるんだよ。
戦争がなく、ちゃんとお腹を満たすことができるきみたちは、野良だけど、恵まれているんだよ。
でも、昨夜の雨風はひどかったな。
きみたち、あの嵐をよくしのいだね。
えらいぞ、その調子だ。