風が生まれた!

公園の猫たちの見守りに、大きな変革が起きている。
これまでの会の強権的で閉鎖的なやりかたから、風通しの良い協力体制へと。

この問題に長いこと見て見ぬふりをしてきた市役所が、なんと動き出してくれたのである。
時期がくれば担当が変わるから、問題の先送りを繰り返してきた市役所も、ここにきて、ようやく前へ!

長いこと続いた悪しき慣習は捨てて、新しいグループへと生まれ変わった。

【いよいよ、イルミネーションの季節がやってきた】

なにしろ、聞く耳を持ってくれたのは何よりの進歩です。
しかも、率先して協力的になってくれたことに感謝です。

公園はなんといっても市の管理ですから、協力がないとなにもできないのです。
市の職員や保護ボランティアさんの力が合わさって、あっというまに大きな力になった。

【起こさないでね。茶々は、茂みの中でお昼寝中です】

足許に生まれた小さな風の子が走りだし、つむじ風が起き、やがて大きな風を呼び込んでくれた。
サアーッとさわやかな風が吹き上がって、天へと昇っていくような感じがします。

物事って、初めはほんのわずかな変化から。
それが大きな風や波を起こすと、もう、誰にも止められない力となる。

なによりも、これまで見過ごされがちだった猫たちの病気や事故など、なにか起きたときの体制ができあがったことが一番だ。
これまで、見捨てられてしまった猫たちも、これで浮かばれるだろうな。

【アズキは、よくこうしてまわりを監視】

野良なんだからしょうがないでしょ、なんてことは、なるべくないようにしたいよね。
命には、重いも軽いもないのだから。

池の周りを歩いていると、ニャツと、呼ぶ声が茂みから聞こえてくる。
腹ををすかせている声だ。
そうか、そうか、ご飯をくれと呼び止めたのか。

【モミジ こんな顔してるけど、とても甘えん坊なんです。撫でられるのが大好き】

だがな、きみたちは幸せだぞ。
何日も食べるものにありつけない子たちが、たくさんいるんだからな。

世界には戦争というものがあって、子供たちが泣き叫んでいる現実もあるんだよ。
戦争がなく、ちゃんとお腹を満たすことができるきみたちは、野良だけど、恵まれているんだよ。

【マー君は、そばを通ると、呼び止める】

でも、昨夜の雨風はひどかったな。
きみたち、あの嵐をよくしのいだね。
えらいぞ、その調子だ。

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