これが、とても楽しかった。
ううん、彼女たちはいったい何歳くらいだったんだろう。
たぶんまだ二十歳にも届かないのではと想像してたんだけど。
なんだか、ピンクの花のような可憐さが残っていた。
アズキの居場所のすぐそばのベンチで、ピストル状のオモチャをおたがいに打ち合って笑い転げていた彼女たち。
オモチャの先端からはシャボン玉。
たわいのない無邪気な遊びに思えたが、音がけっこう響いて、怯えたアズキは、餌をやろうとすると茂みに隠れてしまった。
なので、私は彼女たちのそばに行き、「ゴメン、悪いけど、猫が怖がってるから、もう少し離れたところでやってくれないかしら?」とお願い。
すると彼女たち、ハイと言ってくれて、そろそろ帰ろうかという。
それで、そばに行き、いろいろ話してみる。
「おばさん、なんで猫のこと、そんなに気にするの?」
彼女たちの質問はもっともだ。
【写真はイメージ】
「お年寄りの猫がすぐそばにいてね、そのピストルみたいなオモチャから出る音に怯えてるのよ。もうじき保護してやろうと思ってるものだから、それまで無事にいてほしいから」
そう言うと、変なおばさんのイメージは少しばかり薄れたようで、こうみえても自分たちはちゃんと働いているんだという話をし始めた。
彼女たちとはそれからしばらく話が続き、後回しにしていたアズキのことがそろそろ気になってくる。
それで、礼を言って、別れを告げることにした。
もしも自分に娘がいたなら、こんな感覚で話すのだろうか。
なんだかかわいいな。話が弾むなあ。
お月さまと彼女たちの後ろ姿に、そっとありがとう。