「活」は「勝」でもあり、「喝」にもなって、さらには「克」という言葉もある。
23日の夜のワールドカップの日本の逆転勝利は、そんな元気印になった。
このごろの日本は、いつからこんなふうになってしまったのかというくらいに元気がない。
そんな日本に、日本のチームは「喝」を入れてくれた。
このごろの日本は、問題が山積みのまま果てしなく広がっていき、もはや、誰にもどうにもできないのではないかという不安がましていくばかり。
そんな中にあって、サッカーのドイツ戦の勝利は、ろくにサッカーのルールも知らない自分のようなものにも新鮮な活力を与えてくれた。
しかも、前半の諦めムードから一転の逆転劇。反則がらみのないすっきりとした得点。
一時代前には、草食人種の日本人には肉食人種が主体のサッカーのようなスポーツは向いていないと言われていたもので、たしかに、力の差は歴然としていたように思う。
でも、でもだ。一つずつクリアーして、時間をかけて努力してきた結果が出たのだ。
前回のワールドカップの代表選手に選ばれることがなかった浅野選手はずっとそこから頑張ってきたのだという。
選ばれなかったときには、きっと相当にがっかりしたにちがいないし、なんで? と思っただろうに、すぐにもう次は出てやるぞと切り替えて努力してきたのだという。
静岡の清水エスパルスのゴールキーパー権田選手は代表に選ばれるながらも、試合に出られない事が続いたという。
鬱気味になった気持を立て直しての今回の快挙。
日本人として誇りに思えるような勝利は、きっと、このごろの元気のない日本に活力を与えてくれたんじゃない?
そして、元気のない人にも、元気のおすそ分けが届いたんじゃないかな?
それにしても、球技の格闘技といわれるサッカー選手たちの見事な筋肉は美しい。
ふとした瞬間に現れる、はりつめる筋肉のすばらしさ。
それをかいまみるだけでも、楽しい。
ジャガーというニックネームがつく浅野選手が両手をあげたときの筋肉は、獲物を捕えた瞬間の喜びに満ちていた。
草食系の日本人だって、頭を使えばデカい肉食系を捕えることができるんだぞって、思わせてくれた夜。
テレビの前で騒いでいる私をよそに、ミーナはぐっすり。
そういえば、猫は肉食系だったんだよね。