公園猫のアズキがいる場所は、日中は結構人の通りが多いので、いたずらをされることがある。
以前、アズキと一緒にいたヒジキという黒猫が池に浮かんでいいたことがあって、たぶんそれも、事故ではなくて人間の仕業だろうという見方が多い。
一方で通りがかりに立ち寄って、無事を確かめていく人もいてくれるが、それも、夜中には無理な話。
夜は照明も消えて、奥まった場所にあるアズキの居場所は、とても暗くて物騒だ。
寒さもゆるんできて、夜にやってくる人がふえたのか、このごろ、そのアズキのために造った簡単なハウスに敷いた敷物が放り投げられていることがあり、アズキもハウスに近寄りたがらなくなった。
いたずらがさらにエスカレートして、ヒジキのようになっては大変ということで、市に防犯カメラの設置をお願いしたが、なかなかはっきりした返事はない。
らちがあかないので、それではと、自分たちで防犯カメラを買い、取り付けようという話になり、市に許可を求めた。
許可をもらい、取り付けようとしたその日になって、待ったがかかった。
書類は出してあったが、他にも書かなくてはならない書類があるから、それからにしてくれという。
それで、送られてきた書類を見ると、これがなんとまあ、驚くような内容で・・・。
取付責任者、管理責任者、カメラの撮影角度や範囲、はては、苦情が寄せられたときの対応まで、こちらにするようにという内容だった。
いろいろ悩んだ末に、これでは市の仕事を個人に丸投げしているようなものではないかということになった。
つけてもいいから、すべての責任はそっちでということだ。
さらに苦情の処理までとなると、こちらの負担があまりに大きすぎるということでしかたなく断念した。
猫のためだけでなく、夜は暗くて明かりのない場所なので、防犯カメラをつけてほしいという申し入れには、はっきりとした返答もなく、それでは自費でつけようとする市民には無理難題なことを言ってくる。
ほかにも、その場所のすぐ近くのあづま屋の階段が危険で、転ぶ人をみかけたり、自分も転んで捻挫をしたので、せめて階段に目立つような線を引くとか手すりをつけてほしいということにも、景観がそこなわれるという理由で、なんの対策もこうじられないままだ。
いったい、誰のための、なんのための公園なのかという疑問がふつふつと沸いてくる。
目立つような場所はきれいにする一方で、目立たない場所の管理や安全対策には腰が重い。
上から目線の職員も多く、市役所を定年で退任しても相変わらず何様的な人も少なくない。
終わった人は相手にされないから、かまってくれる人を探しては、何様的な説教を垂れる。
猫に餌をやっている最中にも、ああだこうだと話しかけてきては邪魔をする。
嫌がっていることに気づこうともせず、かまってちゃんを続ける。
公園が人気のこの町は、駅の近くは高層マンションが林立し、都会風。
少し車で奥まで入れば、田舎だ。
気候も穏やかで暮らしやすい町のはずなのに、公的な機関にはかなりな問題がある。
まあ、この国自体もそうなんだからね、毅然とした態度をとるリーダーは出てこないし。
そうやって、この国も町も滅びていくのかもしれないね。
株価が高値更新を続けるなか、自分の利益しか考えない人が増え続けている気がする。
生き残るのは、そういう人たちなんだろうか。