まる子から三毛子あてに、年賀の写真が届いた。まる子には華がある。今年もよろしくね。きっとチビも今頃は、初めてのあったかい正月を迎えているんだろうね。まる子はもう、チビのこと、すっかり忘れたのかな?
一方、華やぎに欠ける三毛子はもっぱら体力勝負。くの一忍者ばりの渡り初め。
外に出さなくなってから、三毛子が外気に触れることができる唯一のベランダ。けっこう広く、フェンスも長いから、三毛子の大好きな場所で、早速歩いている。
今日は風もなく暖かくて、三毛子は日差しを浴びながら、ご機嫌で行ったりきたり。
ベランダの端には少し前まではネットを張っていたが、三毛子はそれも上って乗り越え、大変なことになってしまったから、今度はネットを外し、かわりに植木に使う棒を細かいピッチで立ててみた。
どうだい三毛子、これなら乗り越えられないでしょ。
そう思うかたわらで、三毛子は、前には登れたはずなのになあ、という顔で様子を見ている。この調子だと、今年もまた三毛子との知恵くらべが続きそうだ。
昨日は、元日に続いて古墳への丘のぼり。途中の坂道をワンコが二匹で元気に走っていた。上まで一緒に行き、遠くの富士をバックにパチリ。二匹は同じ年なのだそう。
そしていつものように、新年の瞑想。今年は静かに過ぎていくかなあ・・・。風の人の笛の音が遠く近く、あたりに響き渡る。いい正月だ。
完全に裸木となった丘の上のケヤキの大木。上を向いて写真を撮っていると、顔馴染みの人が、何撮ってるの、と言って、同じように上をみる。「鳥でもいるんかい」
「ううん、ただ木を撮ってるだけですよ」と私。
「木ってすごいよな。こんだけ葉っぱが全部なくなって枯れてるみたいだけど、春になると、ちゃんと芽を出すんだもんなあ」と言って、その人は立ち去った。
なにげなく交わした会話なのに、みょうに心に残った。寒く冷たい風の中、凛と立っている木々。ふと立ち止まり、空を見上げて両手をあげた。今年もきっとここに通うから、どうか見守ってね、と言いながら。
初春の蓮華寺池は、しんとして澄んだ光をたたえていた。