黒猫の瞳

休耕田を利用したコスモス畑に行ってみた。

いつからか、この時期になるとコスモス畑に行くのが楽しみになった。
ちょうど季節の変わり目で、そろそろ寒さ対策にとりかかる時期と重なり、一つの区切りとなっている。

【コスモスに溺れる人々】

コスモスに溺れ、堪能したあとは、同じ岡部町にある柏屋へと回ってみた。
この柏屋は、東海道五十三次で知られる岡部宿の旅籠だったところ。
大旅籠といわれるだけあって、とても大きな規模だったのは、その敷地の広さからもわかる。
本陣といわれる由縁だ。

正面の入り口にはたくさんの竹明り。さらに、中に入ると、蓮の花を思わせるような形の明りが並んでいた。
なまこ壁の蔵の中では、陶を彫って創ったという明りも。

明るさに慣れてしまった私たちは、闇を恐れる。
でも一方で、薄暗い中にともる明りには魔力のようなものを感じてしまう。
こんな薄明りの蔭に黒猫がひそんでいたらと、ついまた猫のことへと想像が膨らんだ。

闇の中に光る猫の眼は、二つの丸い点となって浮かび上がる。
山形にいるときのこと、夜遅くなっても帰ってこない黒猫のプリンを探して、裏庭の向こうに広がる林に懐中電灯を向けると、闇の中に、二つの眼が光った。
「プリン、もう遅いから帰っておいで」
と声をかけると、カサコソとかすかに気配はするものの、黒猫の姿は闇と同化して見えない。

ときおり、薄闇の中でじっとうずくまり、こちらを見ている金色の瞳。
その黒猫プリンが、ひさしぶりに、すぐそばにやってきてくれたような気がした夜になった。
柔らかくしっとりとしたその毛並みの感触を、手はしっかりと記憶している。

プリンの毛にくらべると、ミーナの体毛は少し硬い。
そして、やんちゃなので、少々荒っぽく扱っても安心感がある。

それから、日向っ猫さんからの連絡で、なんとシロにも少し変化があったとか。
これまでは日向っ猫さんがいるときは餌を食べなかったのに、近頃は日向っ猫さんの眼の前で食べてくれるようになったそうです。

餌を食べるときは無防備になるから、シロはずっと気を張っていたんでしょう。
少しずつ少しずつ前進していることがうれしい。

日向っ猫さんの猫ちゃんたちの譲渡会をします。
日時 10月30日 12時30分~15時30分まで。
完全予約制ですので、事前にご連絡をお願いします。
連絡先 070-1674-3733 まで。

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