ほのかに花の香りが漂う庭。近所ということもあって、いつものように声をかけてみさせて頂いた。季節によって彩りが違う庭。今はクレマチスが花を咲かせていた。
庭に立ち入ると、まずバラの香りがした。うん? みると、大輪の深紅のバラが花をつけていた。もう35年もここにあるという。よく枯れずにこんな深い色の大輪の花をつけているんだ。あなたはすごいねえ、と声をかけたくなった。
ほかにも、紫色の花をメインに日射しを浴びている花々がいっぱいだ。この庭の主は紫色に惹かれるという。玄関前のアプローチに立つと、ちょっとヨーロッパにでもいる気分になる。
この庭とずっと会話しながら暮らしてきたその人は、庭だけでなく、町内の公園や学校の花の世話や草取りまで、黙々と一人でなさっている。おかげで公園はいつもきれいだ。
花々のかげには、ひっそりと隠れるようにして天使たちがいた。まるでこの庭が気にいって舞い降りてきたように。温かな感じに包まれて帰ろうとすると、彼女は、彼女のようにすらりとした立ち姿のジャーマンアイリスを2、3本切り、渡してくれた。さっそく大きめの花瓶に生け、食卓に置くと、部屋が一気に清々しい空気に変わった。
花の力ってすごいんだなあと思いながら、このひと月あまり、ずっとこのブログのリニューアルに追われてあわただしかった日々のことを考え、ひさびさにゆったりとした気分でコーヒーを味わった。やっぱり、花一輪であっても、花を飾るという心持ちを忘れると、気持が干涸らびてしまうようだ。
あたたかな感じに包まれたのは、夕方からの公園まいりでも。
初対面のようだったが、左のワンコちゃんが別れづらいのか、飼い主さんに連れられて一度は離れたのがまた戻ってこんな風に。意気投合しちゃったみたいだ。いいなあ、ワンコはただこうして、気があえばすぐに仲良しになれるんだもの。
きょうは、ひさしぶりにチビが木登り。すごいすごいと手を叩くと、ドヤ顔をする。そこがまたかわいい。
そんなときはまる子も、あたしも登りたいという顔をしているが、なんせ、太りすぎでちょっと無理みたいだ。以前はこんなふうに木に登っていたが、今は石の上で、得意のへそ天ポーズ。ゆったりとくつろいでいる証拠だから、安心する。