鬼のささやき

何をやっても、どうもうまくいかないし、裏目が出る。
そんなときは、鬼のささやきが聞こえてくる。
「おまえは、もう終わっている」

「おまえは、もう死んでいる」
そう、北斗の拳の、あの有名なフレーズだ。

「まだ終わってないよ」
鬼のささやきに負けてしもうたら、たぶん、なにもする気になれないだろうから、二つの自分のあいだで葛藤する。

【私がもう一人】

「いや終わっている。その証拠に、もう誰もおまえのことなんか気にしてくれるものはいないじゃないか」
鬼にそう言われると、確かにそんな気もしてくる。

自分はもう、とっくに終わっているのかもしれない。
なのに、惨めったらしくなんやかやと首を突っ込みたがる。

そして、どれもたいした結果を出していない。
いっそ、もうさっぱりと、なにもかもやめてのんびりとしたほうがいいのかな。

さりとて、のんびりの意味がよくわからないのである。
なにもしないなんて退屈すぎるからだ。

そんなときの心理療法は、私の場合はこれだ。
家の中の雰囲気を変えてみる。

そう、やっと、どうやら涼しくなってきたんだし。
それで、和室の畳の上にマットを敷いてみたら、これがとてもいい感じ。

ミーナが畳をバリバリするので、一石二鳥だ。
8畳全部に敷いてみたら、広々とした感じになり、感触もいい。

【マットは4色をランダムに。壁には、猫の爪跡防止用にプラダンを貼ってある。】

弾力があるので、ちょっとした運動にも向いている。
さっそくストレッチをし、以前に習っていたフラダンスのステップも踏んでみる。

ついでに、玄関奥のスペースに買い物用のバッグや、猫の餌やりにでかけるときの持ち物など、いろいろ置けるように工夫してみた。
友人が送ってきてくれた、秋色の手作りのバッグも飾ってみる。

できあがった結果に自己満足。
ネットにハンガーをかければ、雨に濡れた洋服など、置くのに困るものなどもかけられる。

でかける支度が楽になり、網にディスプレイするものを季節ごとに変えてみるのも楽しそう!
「おまえは、まだ終わっていない」

そう、まだまだ、終われないんです。
外見が萎びてくるのは仕方ないとしても、中身まで萎びるのは嫌なんです。

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