それぞれの午後

庭のアジサイがきれいに咲いた。普通のアジサイとはちょっとちがっていて、かわいい花をつける。

まる子、オウチ生活にずいぶん慣れましたよ~、という里親さんからのメール。楽しい写真つきです。里親さんはとても明るくお茶目な人で、まる子のことを大好きと言って、写真にいろいろデコレーションしてくれました。

この写真をみていると、まる子の幸せが伝わってきます。やっぱり、まる子には丘の上の石のベッドより、こっちのほうが似合う。私にも、ハッピーが伝わってきます。

ところで、最近、わりとほっとかれている三毛子は、どしゃぶりの雨の日、私たちがチビのところにでかけるとき、こんな顔をして窓辺に立っていました。ちょっとさびしげだなあ・・・。帰ったらたっぷりとかまってやりましょう。

そう思っていると、とんでもないことをしでかす三毛子。じゃじゃ馬ならぬ、じゃじゃ猫なんです。

二階ベランダのフェンスのてっぺんを歩いたり走ったりしているので、おお、これなら外に出なくても大丈夫だろうと思っていたら、とんでもないことでした。なんとしても出たかったらしく、ここから隣りの家の屋根に飛び移り、さらに物置の上に飛び降りて、まんまと外に出ていたのです。それで、隣りの屋根側のフェンスにメッシュパネルをとりつけました。

どうだい三毛子、いくらおまえでも、これなら飛び移れないだろう、と内心ほくそえんでいるが、こちらがなにか対策をとると、いつもその裏をかいてきた三毛子。またなにをしでかすことやら、トホホです。

そして、チビはといえば・・・。

かなりおちついてきて、餌もよく食べる。なんだか覚悟をきめたような感じがする。ぼくは、ここの主なんだぞという決心をしたか?

どしゃぶりの雨の日、午前中に行ってくれている人から、雨の日はチビはやっぱり出てこないね、という連絡。ならば、夕方くらいは餌をあげないと、と思い、行ってみると、さすがに腹がすいたらしく出てきた。雨が小やみになってくると、チビは、せーの、という体勢からいきなり木に登った。それも、かなり高いところまで。

だいじょうぶ、ぼくはこんなに元気だよ、と伝えてくれているように思えた。チビは、ほんとうにけなげな子だ。

まる子がそばにいなくなってから、10日がたつ。これまでは、よくも悪くもまる子に先導されていた。そして、まる子と離れて気づいたことは、チビはまる子に遠慮していたということだ。なにごとも、まる子が優先だったから。餌の順もブラッシングの順も、そして撫でてもらうのも。それがチビだけになってからは独り占め。

遠慮がなくなったのか、それとも、やっぱりさびしいのか、以前よりも甘えてくる。そしてまる子がいるときには、餌をまる子に横取りされても刃向かわず、もっとくれ、というそぶりもみせなかったのに、このごろは、このおいしいのをもっとくださいな、という顔をしてみあげる。こいつ、こんなに甘えん坊だったんだ、と考えなおすほどだ。もっと淡々としていると思っていたのだが。

帰るころには雨があがり、澄んだ景色が広がった。チビがまる子を探していなくなるのではないかという不安は、ひとまずうすらぎ、ひさしぶりに気持のいい午後になった。こんなところでチビはたった一匹で夜を過ごすのか、という思いは、ずしんと重く残る帰り道だが。

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