ラッキー? それともアンラッキー?

買うか買わないか。
迷ったのは、年末ジャンボではなく、冷蔵庫。

先日、買ってから5年近くの冷蔵庫が動かなくなった。
食事どき、キーンという妙な音がしたあと、パチンと何かが切れる音がした。
かなり疲れていた私には、張り詰めていた自分の心が切れた音に思えた。

「まずいよ、これ」、この年末についてないよな。
そういっているうちに、庫内の温度は少しずつ上がり、冷凍庫に入れていたものたちが解けだした。

そのとき、ミーナはのんびりとテレビを見ていた。

今年の暑い夏を過ぎたころにも一度おかしくなっていたが、そのときにはなぜだか冷蔵庫は自然に動きだして、頼んでいた修理屋さんはそれを見て、とくになにもしないで帰っちまった。

あれじゃあ、頼んでもな、と迷ったが、保証期限にはまだ間があるから、また修理を頼んだ。
すると、年末なのでスケジュールが混みあい、行くにはしばらくかかるという返事。

それで、その日食べるものだけを買うことにして、数日はしのいでみた。
けれど、朝、パンをトーストしようと出してみると、うっすらと黒い点々が。
カビだった。

餌をくれと叫ぶ大ちゃん 名前のとおり、デカくて暴れん坊

パンはいつも手作り。
なので、保存がきかないのだろう。
冷凍していたものたちも味が変わっていたから、すべて廃棄。

不便さに音を上げ、この際、もう、新しいのに買い替えようと思い立ち、電気製品の量販店へ行ってみた。
すると、それほど大きくないもので型落ちなどの製品は、思ったよりも安く、在庫があれば、すぐにも配達できるという。

すぐにでも配達、という言葉に心が動いた。
ストレスも溜まってきたし、傷んでいるかもしれない食品を口にするのも不安だ。

だが、待てよ、もしも修理で復活したら、そっちはどうするのだ。
ピカピカで使い勝手のよさそうな冷蔵庫が林立する前で悶々としたあげく、ちょっと考えることにして、いったん家へ帰ることにした。

雲の形を映した山と町並み

そして帰り道、ふと気がついて、ときどき利用する中古品屋に立ち寄った。
すると、真新しい小さな冷蔵庫があった。
しかも、電気屋で売っていたものの半額だった。

ラッキー! これでしばらくは凌げる。
イライラせずに修理屋さんを待っていられるではないか。

早速、家へ持ち帰り、それから何日かして、ようやく修理屋さんがやってきた。

なによ、この邪魔なものは、とミーナはミニ冷蔵庫を嫌っている。

炬燵で寛いでいたミーナはあわてて二階へと走り去り、それを見て苦笑いの修理屋さんは冷蔵庫の診察。
冷蔵庫の電流の流れや量を測った。
人間でいえば、血管みたいなものなのかしら? 

すると、修理屋さん、「これ、もうコンプレッサーが駄目だから、新品の冷蔵庫に取り替えます」という。
さらには、「これと同じものはもうないので、新型になります」だって。

要するに人間でいえば心臓みたいな部分らしい。
そっか、無料で、しかも最新の冷蔵庫と取り換えてくれるなんて、またまた、ラッキー!

あたしも、やっとほっとしたよ

あのとき、電気製品の量販店で、焦って買わなくてよかったな。
年末に大きな支出になるところだった。
ボーナスなんて、はるか昔のことだし。

考えてみれば、アンラッキーだったことが結果的にはラッキーだったということは、これまでもいくつもあった。

よし、これでいい正月が迎えられるぞ!
なっ、ミーナ。
それにしても、最近の電気製品は壊れやすくないか?

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