ときどき、心のクリーニングをしたくなる。
でも、こんな時期に遠出をするのは無理。
それで近くの、静かで樹木が多い神社に行く。
木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が祀られている神社だ。
まず、「このはなさくやひめ」という名前に惹かれた。
なんと、かぐや姫のモデルになったという伝説がある美しい神様だそうな。
それで花手水も、それにちなんで美しいのかな。
神様は、やっぱりいてほしいなあと思っている。
誰にも認めてもらえないようなことを、ひたすらやっているときにはとくに。
せめて天から見ていらっしゃるであろう神様にだけは、見ててほしいなあと。
それから、誰かとうまくいかなくなってしまったときや、わけもわからず無視されているときなど、誤解を解く努力や無視のわけを訊いたりするのも面倒で、そんなん、きっと神様だけはみていてくれるはず、と考えたりもする。
そして、今度会ったら、こっちから挨拶してみて、それでもだめなら遠慮しようと心に決める。
そして、あえて明るい色の服を着る。すると、気分があがる。
歳のくせにとかなんとか考えない。そして、自分で自分を、神様のかわりにほめてやる。
そんなときに行く神社は、いつも花手水がきれいにしつらえられている。
季節の花が彩りよく並んでいる手水鉢をみるだけでも、心が清々しくなる。
今日のは、華やかだった。夏色の花々のそれぞれが、ほら見て綺麗でしょ、と言いたげに鮮やかだった。
ときどき、境内の草取りをしている方に出会い、言葉を交わす。
「あのきれいな花手水はどなたが?」
「うちの妻が」と、氏子であるという彼は、手ぬぐいを頭に巻き、鼻筋の通った顔をあげて、にこやかに答える。
「とても素敵ですね。くるたびに趣向を変えていらっしゃる。」
花を摘んで手水鉢に浮かべるその人もまた、すてきな人なんだろう。
そう言うと、彼は仕事を中断して、パワースポットを案内してくれた。
たしかに、三本の木の中心の足型に立つと、足許から清々しい気が立ち昇ってくる。
うん、たしかに気持がクリーニングされたかも。樹木の精霊たちに囲まれているのだから。
他にもパワースポットとしている場所は、宇嶺の滝(うとうげの滝)
藤枝市の山あい、蔵田地区の奥のほう、くねくねした山道をのぼった先にある滝は、いつ行っても人影がなく、涼しい。
なので、思う存分マイナスイオンを浴びて帰ってくる。
清々しい気持になっていつもの公園に行くと、いつもの猫たち。
公園が居場所の猫さんたちが、今度はゆる~い気持にさせてくれます。
シロがこんなふうだったら、今頃はとっくに手術も終わってのんびりしていたのにね。
人を信じることができないようになったのは、やはり人のせいだろうね。