ミラクルクローバー

四つ葉のクローバーには、幸せの予感がある。
けれども、たいていは、探してもなかなかみつからない。
なのに、クローバーの群生のなかから、ふっと眼に入ってくることがある。

まるでそんなふうにして4人は出会った。
そして、雨が激しく降る昼下がり、4人はそれぞれ、自分の暮しや人生について語り合うことに。

【雨風で倒れたヒヤシンスの花を水に浮かべてみた】

嵐のように激しい雨風の中、メンバーの一人のお宅に集まった4人の語らいは、時間を忘れ、年齢を忘れ、家族のことも忘れて続く。
手作りのお菓子やゼリーなど用意して招いてくれた人は、すてきなティーカップにコーヒーを淹れてくれて、話は尽きない。

「この集まりって、不思議な縁ね」
「そうそう、年齢も家族関係もバラバラなのにね」
[この年になって、新しいお友達ができるなんて、まるで奇跡ね」
「ほんと、奇跡みたいだね」

みんな、口々にそう言い、笑いが生まれる。
本当に奇跡でしかないと、私は思う。
70代半ばの年齢になって、こんなに気のおけない人たちと知り合えるなんて。
出会いは、どこに転がっているかわからないものだなあと、しみじみ。

【庭の白鳥草。以前にIさんに頂いた苗が大きく育った】

初めは、家の近くの公園の花壇を造ったIさんとの出会いだった。
私がこの町内に越してきたばかりの頃、近所を散歩していると公園があり、その一角に花が咲いていた。
眼を惹かれて近づいていくと、小さな花壇だったが、細い道のようにレンガを敷き、色と高さの調和がとれた花々が咲いていた。

センスがよく、魅力的な花壇に惹かれ、ときどきそこに行っていると、花壇の手入れをしている人に出会った。
ああ、この方なんだ、この花壇の生みの親は。
そう思って話しかけたのが、そもそもの始まりだった。

【出会った頃のIさんのガーデン】

それから彼女の庭に招かれ、話を交わすうちに親しくなり、そうして数年前に越してきた人がそこに加わり、さらに今度は、もう一人加わって、三つ葉のクローバーは、めでたく四つ葉のクローバーになったというわけだ。

それぞれに、趣味や仕事に実力を発揮してきた人たち。
だから、なにか、柔和な表情の奥には、簡単には切れない糸のような強さを持っている。

私は、引っ越しを繰り返してきた暮らし。
しかも、この年になって新しい友人ができるなんて、生きてきたことは無駄ではなかったんだなあという思いになります。

【猫たちのもとへと通った公園の蓮のつぼみ】

私の人生は、ほんとに七転び八転び。
普通は、七転び八起きなんでしょうけど、なにをやっても軌道に乗らなかったし、親子の関係もいつのまにか疎遠になってしまった。

もっと賢ければ、あのときのチャンスを生かせていたなら、もう少し心が広ければ・・・と、後悔の海で漂流する日々が続いていたころ、やり直そうにもすでに手遅れで、きっと、その現実から眼をそらしたいばかりに、猫の世話を続けてきたのかもしれないのです。

それでも、そんな人生にだって、こんないいこともあるじゃん、と思い直して。
人と人との繋がりは、生きていく張り合いになるんだなあ、きっと。
八転び九起きにしたるぞ、と決めたんです。

まずは、もう少し自分に磨きをかけて、みんなからおいてけぼりをくわないようにしないとね。
と考えながら、ふふふと、思わず笑ってしまう。
だって、このあいだの集まりのとき、私はブラウスの前ボタンがはちきれて外れていたことにも気づかずにいたのだから。

【太っちょまる子は今もあいからわず、元気でふくよかです。】

まずいぜよ、これは。
体を動かして、体重を減らさんと。

さてと、まずは家の中を夏仕様に変えることから始めようぜ。
八転び九起きをめざして、気分も変えようっと。

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