徳川家康が隠居時代を過ごした駿府城。そこが今は駿府城公園となって、その中にもみじ山庭園というのがある。もみじがきれいだよう、という話。それでさっそく行ってみた。
駅地下に車をとめて歩いて行くと、途中の葵区役所の前に、赤い花でできた大きなテディベアが二つ並んでいた。もみじではないが、鮮やかな色の花でできたクマさんのペアー。パールを散りばめて、とてもかわいい表情。
これが猫だったらどうなるのかなあと思いつつ、あちこちキョロキョロしながら通りを歩いて行くと、今度は変わったサンタさんが。
なにしろもうずっと、街なかに出たことはなかったから、すっかりおのぼりさんになっているわけで。
通りを行きつ戻りつしながら、ようやく駿府城公園の門までたどりつき、もみじ山庭園へと歩いて行く。
城は消失してしまったが、門や城壁などは復元されたものだという。もみじ山庭園へと入って行くと、確かに入り口あたりに大きなもみじの木があった。そうして、広々とした庭園が奥へと続いていく。
中央奥の三角形の山の形をしたものは富士山を象徴しているのだという。ふうん、すごいなあと思いつつも、なにか、いつもの古墳の丘からみる景色のほうがいいなあ、という思いになってくる。
ここ駿府城公園にも野良猫たちがいて、餌やりさんたちがいるという話が新聞に載っていたのを思いだし、庭園を出てあちこち探してみたが、猫の姿も餌をやるような人の姿もなかった。
2年ほど前の話で、新聞社に問い合わせをし、餌やりの投稿をした方と電話で話をする機会があった。83歳というお年だと伺ったのだが、とても元気そうで、公園から引き取った猫が家に5匹いて、さらに公園まで自転車で毎日、餌やりに通っているというお話をしておられた。この年で元気でいられるのは、自分を待っていてくれる猫たちがいるからだと言っておられた。
もしかすると、その方に会えるかもしれないと思い、だたっ広い公園の中をあちこち探してみたのだが、猫も人もいない様子なので、諦めて帰ることにした。
ちょっとがっかりして帰途につく途中、ラインでまる子の写真が届いた。まる子ママの娘さんがひさしぶりにいらしたそうで、手作りの首輪をしてもらったのだそうだ。
いろんな人にかわいがってもらえて、まる子はなんと幸せな子でしょう。家に帰ると三毛子が待ちかねていて、安心したのか、餌を食べたあとはコタツの端に幽霊の型で寝てました。
夜になると、冷たい強風が吹いてきました。まる子とチビのハウスを置いていた竹林は、下から風が吹きつけてくる場所。きっと体をくっつけて温めあって夜をやり過ごしていただろう二匹の姿が浮かんできました。三毛子にしても、外で寝る暮しが続いていたら・・・。そう考え、ほかにも無数にいるだろうノラたちのことに思いが及び、胸が痛みました。