遊びをせんとや生まれけむ ♬
戯れせんとや生まれけむ ♪
昔、平安末期の頃に流行った歌だそうで、深い意味がわかると、ちょっと哀しみを感じるけれど。
ふっと空しくなるときなどには、しらずしらずこの言葉が出てきます。
そう、楽しむために生まれてきたんだよ、とね。
そうして、どこかの花に眼を向ける。
花たちは、ただ日の光を喜んで、無心に風と遊んでいる。
土や花に触れていると、なんとのう気持が落ち着いてきて、イラッとしたときとか、なにかに追われている気持になるときは、花になぐさめてもらおうかな、と思うんです。
先日、花に詳しい方が、庭のジャーマンアイリスを切って持ってきてくれました。
彼女の庭に咲いていた大きな紫の花が、なにもない床の間を飾ってくれました。
その方が話すには、いつも通るおじさんが彼女の庭をみて、いつしか話をするようになり、公園の花壇の手入れをしていると誰かが話しかけてくるそうで、それもこれも、きっと花のえにし。
いつもの自分なら、花より団子。
でもでも、そんな暮らしにくたびれてしまうときには、やっぱり花を買う。
このごろは、陽気がよくなってきたので、花の苗を買い、ついでに野菜の苗も。
いつか植えた木にも花が咲き、思わぬところに芽を出しているものもある。
庭には苺が育ち、青ネギも大きくなって、きのうはお蕎麦に入れて、おいしく頂きました。
《山査子の花》
遊びをせんとや生まれけむ
戯れせんとや生まれけむ
ほんに、暮しの中に花を愛でる気持があるうちは、きっと大丈夫。
あなたも私も、自分の花に気づくでしょう。