パイナップル畑の虹。

あなたは、こういう人よね。
そんなふうに、一度レッテルが貼られてしまうと、なかなかそのレッテルを剥がせない。
そして、さらには、しらずしらず、自分からそのレッテルに染まっていきがち。

おっちょこちょいでお人好し。
おとなしそうだから、なにを言っても怒らない。
だから、乱暴なことを言っても大丈夫。

【ミーナのレッテルはヤンチャ。でも少し変わってきた】

職場でも友人たちの間でも、いつのまにかできあがっていった自分のイメージ。
でも、心の中では、本当の自分は違うって、感じていた。

これでも、中学時代には、強いはずだったのにな。
結構、バンバンと友達とやりあうほどだったのにな、と。

変わり始めたのは、高校のときからかな。
古い校則だらけの女子高が肌に合わず、さぼったり反抗したり・・・。
一人が好きになった。

【まだまだヤンチャは残っているが】

そして、大学受験もだめになって地元にいるのが嫌になり、いっそ、自分のことを誰も知らないところへ行ってしまいたいと、本州の北のはずれから、神戸へと。

例えていえば、石川さゆりの「津軽海峡冬景色」ではなく、前川清の「そして神戸」になったというわけで。
神戸の垂水区というところでパイナップル畑を経営している農園に、住み込みのバイトで働くことになり、延々と列車を乗り継いでたどり着いた。

そこには猫がいて、触れるとあったかくて、なんだかほっとしたものだ。
どこにでもいるような茶色のシマシマの猫。
ご家族は、経営者の若いご夫婦と幼い女の子、それにご主人の弟さんとおじいちゃんだ。

私の仕事は、朝一番にパイナップル畑の水やり。
それが、案外と楽しかった。
日が差し込むと、水のシャワーが広がり、そこに虹が出る。
はかなげだけれど、虹は希望のようで、心が癒された。

日中の仕事は主に、パイナップルの収穫の手伝い。
いつも近くにいるご主人が、休憩時間に、パイナップルの皮を器用に剥いて差し出してくれた。

夜になると、家の出入り口の門が閉まり、外には出られなかった。
ときおり私は高い門扉を乗り越え、夜の散歩としゃれこんだ。
夜の風景は、ミステリアスだ。

私のそんな行動に感づいていたのは、シマシマの猫だけ。
名前も忘れてしまったが、わりと愛嬌のある猫で、私が塀を乗り越えようとしていると、どこからかやってきて、まるで、行くなと叱るように、ニャアゴニャアゴとわめく。
それで、ポケットにしのばせておいた煮干しをやり、猫が食べている隙に門扉のかんぬきに足をかけて乗り越える。

あれから、何十年・・・。
綾小路きみまろ風にいえば、どう変わったのだろうか。
少なくとも、誰かの都合のいい人にはなっていないと思うけれど。

【今年の早咲きの桜】

猫が亡くなることを、よく虹の橋を渡るというが、視力の弱い猫には、たぶん虹はみえないだろうな。
サビちゃん、ちゃんと虹の橋を渡れたんだろうか。
痛みもなく、ようやく、自由に動けるようになっているだろうな。

【サビちゃんがよくいた場所に、花と餌を供えた】

なにかの拍子に虹をみるとき、以前はパイナップル畑の虹を思いだし、今は、虹の橋を渡った猫たちのことを思うのです。

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。
購読料はかかりません。アドレスが公開されることはありません。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!