ワイルド三毛子

夕焼けの一瞬。

三毛子を外に出さないと決めて4カ月。いろいろ三毛子の抵抗にあいながらも、どうにか4カ月。普通の猫なら3カ月くらいで、オウチ生活にも慣れてくるという話。けれど、野良で生まれ、野良猫たちの中で育った生粋の野良の三毛子にはきつい様子。外に出してやりたいと思いつつも我慢してきたのだが、ここにきて、またまた三毛子の乱。

三毛子はよく、二階のベランダと一階を行ったり来たりする。それでしょっちゅうドタバタと音がしているのだが、音がしないときは寝ているか、なにかとんでもないことをしでかしているときだ。

このごろは、ベランダにいないと思うと、雨戸の戸袋と屋根の間からあたりを見回していた。これくらいなら大丈夫だろうと思っていたのもつかのま、先日、家の中に姿が見えないので探し回り、やっぱりいないので外に出てみたら、二階東側の窓の庇の上にいるではないか。

初めは怖がっているのかと思った。

えっ、なんでこんなところにいるの、どうやってここにきたのよ。ネットを乗り越えられたとしても、先にあるのは細い雨樋だけじゃないのよ。

疑問ばかりが頭の中を駆け巡るなか、まずは、どうしたら救出できるのかと考える。庇の下の窓をあけて抱きかかえるのが一番簡単だが、いまだ抱っこができない。後ろからなら抱え上げることができるのだが、この態勢では無理だ。暴れて下に落ちたら危険だと考え、諦めた。

歩いている。

家には長い梯子はない。消防の梯子車を頼むしかないか・・・。だが、こんなことで頼むなんて、きてくれないよなあと下で悩んでいるうちに、三毛子は狭い庇の上をひょいひょいと歩いたり、あげくには狭いところで寝転んで毛繕いなど始めた。まったく困っている様子がない。

寝転んでいる。

怖がっている様子はないのをみてしばらく様子を見ていたら、ベランダのそばにある雨樋にひょいと飛び移り、雨樋とベランダのネットの隙間から雑作なく戻った。

このあと、ベランダの横の雨樋に向かって飛んだ。

消防の梯子車など頼んでいたら、どうなっていただろうか。あっけにとられるばかり。そんなこんなであたふたしていると、まる子ママから写真が送られてきた。

去年の今頃は、古墳の丘で冷たい風を避けながらチビとくっつきあい、温めあっていたまる子。一年後にまさかこんな幸せなクリスマスを迎えられるなんて、誰が想像できただろう。

チビのほうも順調に里親さんに馴れてきて、これまでは夜だけしか食べなかったという餌を、朝もちゃんと食べるようになったそうで、そちらもいい感じになってきたようで。

夕方になってご近所さんが猫を抱いて三毛子の様子をみにやってきた。いいなあ、三毛子とこんなふうになれたらいいのになあと思わず口に出た。

三毛子がときどき餌をもらっていたお家のカブくん。いつもこうやってお散歩する。

気持が通じないもどかしさを感じるのは、人だけでなく動物に対しても同じ。チビまる子のことも一段落し、6年ぶりに、ゆったりとクリスマスや正月を迎えられるかと思っていたが、三毛子に振り回される毎日が続きそうだ。それほどまでして外に出たいのならと、決心も鈍ってくる。落ち着かない年越しになりそうだ。

夕暮れの富士とコールドムーン

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