体調が戻ってひさしぶりに外へ出たら、公園の景色が様変わりしていた。そろそろ終わりに近い梅も、紅梅、白梅うちそろってのフィナーレ。
そのなかに、赤と白の花びらが半分ずつあるのがみつかった。美しいだけでなく、まるで、今の世界情勢へのメッセージのようにも思われて、しばしみとれた。
池のまわりの河津桜も満開で、ヒヨドリやメジロが盛んに飛び回っている。同じ木の上で仲良く。
梅林は白いのと赤いのとが混じりあい、遠目にみると煙っているようで、眺めは、まるで桃源郷。自然というものは、この世界にいろんなメッセージを送っている。
たった数日、外に出なかっただけなのに、この季節の様変わりは激しい。ぼんやりしていると、置いてけぼりにされそう。
池のまわりの河津桜のあたりでは、こんなにしゃれたワンコをみかけて思わずパチリ。いろんな服を着せられている犬が多い中、飼い主さんのセンス、ピカイチだ。
いくつになっても春はウキウキするもの。なにもなくても、誰かに会う予定もなんもなくても、体も少しずつ春にめざめてくる。自然に動きたくなる。そして、季節のものに眼がいく。
待ちに待っていたのは、駿河エレガント! スーパーで買うとそれなりの値段がするのですが、なんせ静岡だから、地物産が出回る。以前、ランチメニューが評判だったレストランのオーナーさんが、店の前に出してくれているので、たくさん買った。
今はコロナで店を閉じているが、開いていたころには店の中に山のように置いていて、ほんのわずかな金額で譲ってくれていたが、今は店は閉じているので店の前に置いてくれる。
オーナーさんは夏になるとヨーロッパを回り、アンティークなものを買い求めてくるということで、店の中には暖炉があってとてもいい雰囲気なんです。
みかんを抱えてお金をボックスに入れていると、通りかかった人が、そんなに買ってどうすんの? と訊ねてきたので、これね、少し皮も入れてママレードにすると、すごくおいしいのよーと言ったら、それはいいねえと言って笑っていた。
ママレードにするには外の皮を剥くのはもちろんだが、中の薄皮を剥くのが手間。でも手をかければかけるだけ出来上がりが楽しみというもので。
それで、けさからミカンの皮を剥いていると、三毛子がヨガのポーズ。さすがに猫の体は柔らかい。
三毛子のポーズをうらやましく思いながら横目にみて、ひたすら皮を剥く。そしてじっくりと火にかける。やがて、オレンジママレードの甘酸っぱい香りが満ちてくる。
こんな時間が、テレビから流れてくる惨状をみていると貴重なものに思えてくる。