テレビ番組でよく見るのは、自然とか、動物番組だ。
でも、動物番組では必ずといっていいほど、肉食獣が草食獣を襲うシーンが出てくる。
それはそうだ。みんな、生きていかなくちゃいけないんだもの。
けど、そんな場面が長々と続くとさすがにスイッチを切る。
どうかもう、それくらいにして、と思いながら。
そんなふうに考えるのは自分だけだろうか。
肉食獣が他の動物を襲うのは自然の道理だから、しゃあないでしょ、と思いつつも、ターゲットになって追い詰められ、ついに捕まってしまうときの動物の気持をつい考えてしまうのです。
そして、捕まって、食べ始めるシーンは、あまりアップにしないでほしい。
もうわかったから、勘弁してよ・・・と。
カメラマンにとってはスクープかもしれないが。
でも、今日は、とてもいいものを見せてもらった。
イワトビペンギンが、高い絶壁を上って行くシーン。
断崖を登って行く途中で、激しく打ち寄せる大波をかぶり、海へと叩きつけられる。
波に押し流され、揉まれながらも、イワトビペンギンはまた岸にたどりつき、崖を登る。
あまりの厳しさに、眼をそらしてしまいそう。
でも、そうやって壁を登って行く母ペンギンを待っているのは、腹を空かせた小さな子供ペンギン。
なぜわざわざ、そんな危険なところに、と考えるのが普通。
でも、ペンギンたちは、波に打たれながら絶壁を登る危険よりも、天敵がこないほうを選んだのだ。
究極の選択。
人間には到底できないことを、動物たちはやってのけ、そうして生き延びる。
横になりながらテレビを見ていたけれど、波しぶきに打たれながらも、我が子のもとへと壁をよじ登って行くペンギンの姿を見て思わず起き上がり、神々しいものを見ているような気持になった。
この頃いいことないなあと、文句を垂れていたけれど、そんなこと言ってらんない。
何度も波に押し戻されても、断崖を登るペンギンたちに教えられた夜。
サバンナの王様のライオンも猫科。
我が家の王様のライオンは暑さにバテ気味だあ・・・。