惚れ惚れする、という言葉がある。美しいものをみて引き込まれてしまうときのことだろうか。オオサギは今日もシラサギのそばに一羽だけで、あちこち眺めたり、何かついばんだりしていた。
美しい鳥はたくさんいるけれど、こんなに姿がすっきりとして端正な鳥は、そんなにいないだろうなあという思いがしてくる。
頭の後ろにあるのは、冠羽(かんむりばね)。この鳥、なにか微笑しているようにもみえた。
そばにはシラサギもいるし、カモたちもいる。
カモが泳ぐ後ろには、美しい波紋が残る。夕暮れの蓮華寺池は、たぶん一日のうちで最も美しいだろう。
最近は蓮華寺池公園に行く時間が一定していないから、こんな夕暮れの池はひさしぶりだった。
以前はチビまる子への餌やりがあったため、だいたいきまっていて、会う人も顔馴染みの人が多かった。夕暮れの時間に行くと、そんな人たちと話ができて楽しい。
ひさしぶりだね、と言ってくれる人たちの顔をみると、ほっとする。連れている犬たちを撫でて声をかける。それだけでも、心がなごむ。いい時間だなあと思う。朝からなにもする気がしなくて、一日中ダラダラしてしまった日には、特にそう感じる。
今日はなんにもしなかったなあという、空しい気持にならずにすむ。強い朝の光よりも、夕方の淡くおぼろげな日差しのほうが性にあっているようだ。
そして、美しいものを見たあとには、こんな三毛子もいいよね。