古墳の丘も例年の草刈りが行われて、とてもすっきりとし、広々とした。古墳はどこにあるの? と質問されることもあったが、しばらくはだいじょうぶ。しっかりと古墳がみえる。
今年はシルバー人材センターにお願いしたとかで、とても丁寧な仕事ぶり。みたか、シルバーの心意気! というメッセージが伝わってくるような仕事ぶり。
下は、草刈り前の写真。まだまる子がいたころのもの。
たかが草刈り、されど草刈り。田舎育ちだから草刈りの大変さはわかっているつもりだったが、草刈りも奥が深いようで、何年も通っていると、その年の草刈りの仕事ぶりがよくわかる。雑だったり丁寧だったり。それで、景観がまるで違ってくる。
昨年はかなり雑だった。刈ったあとも草の丈が長いし、刈った草もそのまま放置されていて、正直、見苦しかった。
昨年 昨年
「今年はきれいで気持いいねえ」といいながら通り過ぎる人たちの声も聞こえてくる。仕事を丁寧にすれば、時間もコストもかかる。丁寧で、しかも速いというのが理想だろうが、なかなかそうはいかないのが現実で、コスト優先の時代であればなおさらだ。シルバーエイジの活躍はいずこへ・・・。気にかかるところだ。
伸びた草に覆われていた古墳の草刈りが終わると、鳥たちが古墳の上に群がって、さかんに虫を食べている。そして、現れてくるのはハハーフパイプ状の古墳のレプリカ。チビはここが大のお気に入り。
公園にいる猫たちのなかにもシルバー世代に入ったものがいる。姫もその一匹。でも、まだまだ目立つ存在だ。
猫はとにかく寝るので、寝子ともいわれる。そして野良猫は、そこがよほど危険なところでなければどこででも寝る。階段でも崖の上でも。落ちそうになるとようやく眼をさますが、それでも何事もなかったような顔で、平然としている。
姫は餌を貰おうとする相手に狙いをさだめると、諦めない。どこまでもついてくる。とくに雨の日は実入りが少ないので、根負けしてしまう。姫の、長年の経験からきた見あげた心意気。
まる子は、古墳の丘を離れてからちょうど一ヶ月。健康診断も無事に終わり、お祝いに、いつもより大きなチュールをもらったとか。
でも、まる子みたいに幸運な猫はめったにいないから・・・。
それでもみんなそれなりに厳しい現実を生き抜いて、わずかでも心地よいところを探してはまどろんでいる。
この猫は、公園に通う人たちのあいだで、いろんな呼び名で呼ばれていた。ということは、人気者で人懐こいということで、いつもいる場所がこの鳥居や駐車場に近い場所だったので目立っていた。お稲荷さんの鳥居の階段がお気に入りで、それで通称、神社猫とか、天神猫とか呼ぶ人もいた。この子の姿がみえないと探す人もいて、公園の人気ナンバーワンだった。
けれども、痩せてきたなあと思っていたら、やっぱり虹の橋を渡っていった。駐車場のあたりでころんころんと転がっていた愛くるしい姿にはもう出会えない。
こちらは、みるからに哀れっぽい姿のアズキ。シルバーもシルバー、相当な年齢のようだ。相棒のヒジキが死んでからは、いっそうわびしげにみえる。けれども、ヒジキを失ったあとのアズキを気遣ってくれる人たちもいて、みかけて近づくと、ニャツと短い声で鳴き、なにか言うと応えるようにして独特の声を出すところがいじらしい。
餌がほしいときには高い声を出し、甘えたいときは低く短く。つい、なにかしてやりたくなるような、はかなげな猫。
そして、公園の猫ではないが、この子は、人懐こくておおらか。お寺さんで餌を貰っていたトラ。行くと優しい声を出してすりよってきた。姿がみえないなあと思うと、たいてい車の下で寝ていた。ほっこりするこの子に惹かれてよくお寺に行ったものだが、ある日をさかいにその姿をみなくなった。返ってくる答えが怖くて、住職さんにわけを尋ねられないでいる。
そして三毛子は、こうして遊んでいると思うと、いつのまにか寝ている。瞬間移動に瞬間爆睡の早業!
三毛子はシルバーにはまだまだほど遠いが、シルバーになっても、相変わらずやんちゃな婆ちゃん猫になっているんではなかろうか。
すっと伸びて、モミジみたいに広がった足先! シルバーには真似できない姿なんです。