いい感じの人、いい感じの空気、いい感じの時間。
そんな出会いを感じるとき、きっと人は、磨かれていくのではないかしら。
そして、体のなかでいい感じの養分は、力となっていくみたい。
「これっていい感じだなあ」とつぶやくと、なんとなく視界がクリアーになって、ふっと肩の力が抜ける。
すると、歩くのも動くのも、軽やかになる。
スーパーの階段もトントンと上れるのです。
20年前の50代のころにはちょっと歩いただけでも辛かったのに。
脚を傷めて、医師からもあまり歩かない方がいいと言われ、歩けなくなるんじゃないかと怯えていたのにね。
なのに、今はかなりの悪路や上り坂もそれほど怖くはなくなった。
ほんとに、諦めちゃあ駄目なんです。
諦めるところからどんどん退化していくから。
脚だけでなく、心だってそう。
ここのところの出来事に心の防波堤がいよいよ決壊しそうになって、ようやく気づいたこと、それは、誰に何を言われても、凛と姿勢を正していようということだ。
そう決めたら、胸の中でくすぶっていたものが波にさらわれていくようにして消えた。
守るほどのものなど自分には何もないと思っていたけれど、そんなことはないと気づいた。
最後に残るのは人格で、その防波堤は、誰にも壊させてはならないってことに。
波をかぶって気づいたことは、とても大切なことだった。
腹を立てれば一つ年をとる。
一つ笑えば、一つ若返る。
母がよく言っていたことわざだ。
だから、怒ってばかりいると、ドカドカ老けるんだよ。
結構、偉い人たちの本を読んだが、いつもそばにあって、私を支えているものは母の言葉かもしれない。
ならば、ドカドカ笑って若返ろう。
そんなふうに毎日を過ごせたら、この先は、いい感じになりそうだ。
それにしても、まだまだ修行が足りないなあ、私。