人– category –
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化学プラントの先輩
その人の白い手の甲には、たまに猫の引っ掻き傷があった。手だけでなく顔もきれいだった先輩は、雪の降る日に会社をやめて去って行ったが、そのときに残して行った言葉や後ろ姿が今、愛おしい。 -
気づかないうちに咲く。
ある朝、植えた覚えのない木に可憐な花がついていた。 これまではこんな花がさくとは気づかずに根元から切っていた。 人って、気づかないままに残酷なことをしていることがあるんだね。 -
怒ってるの?
不思議なもので、顔の表情というものは、伝染するようだ。相手の表情が固いと、こちらもつい固くなる。誰かに伝染させるような顔はやめとこうと気をつけているつもり。 -
どんぐりの芽
猫が遊んでいたどんぐりも、ヨモギ団子にこしらえたヨモギも、今は平和に暮らしている猫たちも、みんな古墳にゆかりのあるものたち。そのうえ、毎日通っていると元気にもなって、古墳て、強力なスピリットを持っているようだ。 -
小さな食卓
同じ料理の品数でも、大きな食卓に並べるのと、こぶりのものに並べるのとでは、印象が違う。世の中にはよくあることですが、そこに暮らしのヒントがあるような気がするんです。 -
忘れていいよ。
無垢なものに触れると我が身も無垢になっていく。そして、無垢なものを守ろうとして強くなっていく。