嵐の前

嵐がくるので、いつもは夕方に行くが、今日は昼過ぎに行ってみた。坂道で会ったのは、ランナーが一人。こんな日にもスタスタと彼は難なく坂道を駆け下りて行く。

傘に落ちる雨のしずくが響く。丘の上へと続くヘアピンカーブ。そこに立っている立て看板の下に、まる子が雨宿りしていた。

危ないよ、まる子。思わずそう叫んで調べてみたら、端だけでなく、中のほうにも棒が通っていた。コンクリートブロックが落ちる心配がないのを確かめて、とりあえず、ほっ!  

チビまる子のために、雨風をよけるための、簡単な居場所を作ってやっているが、どうもそこはあまり気にいっていないらしい。目立たない場所というのは、どうしても暗くて湿っぽくなる。環境としてはよくない。猫は陽のあたる場所が大好きだからなあ。

まる子、退屈だったのか、さっそくおじさんと遊び始める。長靴の紐が遊び道具になるなんて、猫はなんでもおもちゃにする天才だ。



  

食事が終わると、今度はこっちで雨宿り。石の安定は確認済み。上には、チビがいる。チビは自分の体がだいぶ大きくなっていることに気づいていないらしい。まる子と一緒に入ろうとしてはみだしてしまい、ついに諦めた。


空は、嵐の気配。

帰り道には、いろんなところで、新しい発見。いつもは急ぎ足で通り過ぎる坂道も、今日は早めに出てきて、今のところ風も雨もそれほどではなく、ゆっくりと歩いた。

今年は、台風ラッシュ。そして、夏は異常に暑かった。地球はいったいどうなってしまったんだろう。明日は台風一過となるか。今晩、台風が通過するそうだから、チビまる子が、どうか、雨風を防ぐために作ってやった場所で過ごしていますように。 坂の途中の大木の楠男くんにお願いした。

      

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