(?)の日

外に出ていた三毛子がなにかをみつめている。なにみてるの? といいながら外に出てみると、足許に小さなかわいいのがあった。初めてみるものだ。これ、なに? 苔の中に小さなキノコらしきものがある。あまりに小さいので、摘むのはやめた。やっぱりキノコかな?

このごろ、三毛子は家にいる時間が少しずつふえてきた。ここが自分の居場所だと納得したようだ。そうだよねえ、一年近く前、いきなり家のなかに閉じ込められてしまったんだから。きっと囚われの身だと思っていたのかもしれない。

そのうえ、里親さんのところへ行ったはいいものの、3日で返されてしまったんだもの。そりゃあ、トラウマになるよね。まあ、お転婆だから、しかたないかもしれないが。

一緒に生まれてくっついていた三毛男は、事故か悪意かわからないまま死んでしまうし、そのうえ、うちにきてからは、外に出ると、いつも一緒にいたノラ仲間のグレ子たちからも追い払われるし。人間の匂いがついてしまったからか?

ふらりとやってくる風来坊のニャンコスター

くたびれた顔で外遊びから戻った三毛子を家の中に入れて、チビまる子が待っているところへと行った。

ところが、いつも坂の上や石の上で待っているまる子の姿がない。チビもいない。しばらく名前を呼んでいると、まる子が先に竹藪の茂みからようやく出てきたが、様子が変だ。みると、首から肩にかけて、濡れているようにみえる。雨が降るどころか、空気が乾いていい天気。いったいなぜ?

なにか、脂っぽい液体を何者かにかけられたようで、首から背中にかけてギトギトしているので、いつも持ち歩いているシャンプータオルで拭いてやると、嫌がって逃げたあげく、古墳の上に駆けあがり、いじけたようにこちらを窺っている。

いくら待っても、近づいてこようとしない。食いしん坊のまる子は、餌につられていろんな人に近づいてしまうから、狙われやすいのだろう。

そのうえ、私が強く拭いたので、よけいに嫌になったんだろう。それで諦めて帰ろうとしたら、ようやく古墳から降りて近づいてきた。

こんなめにまる子を遭わせるのは誰? 餌をやらないで、という貼り紙をいつも剥がしてしまうのは誰? 同じ人だろうか? 

古墳の上から降りてきたまる子は、ようやく餌を食べた。

ほっとして帰りかけるころ、日暮れ時の富士が遠くに。なんと、ボーダーの空をバックにしていた。空もすっかり春色だ。こんな色模様のスカーフ、ほしいなあ。

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