猫だけはのんびり。


27日から蓮華寺池公園の駐車場が閉鎖になって、人の数が減った。ドスドスと音を立てて走るランナーもかなり減り、叫び声をあげながら走り回る子供の声も消えた。

そのためか、ふだんは植え込みに潜んでいる猫がちゃっかり歩道に出てきて、のんびりモードだ。それだけ、公園の空気が一変したということだ。

去年はとても貧弱だったが、今年はみごとに咲いた藤も、愛でる人もないまま風に揺れている。こんなにみごとに咲いたのになあと、つい声をかけたくなる。来年もきっときれいに咲いてね。

坂道にも、いつもならちらほらとみえる人影も、きょうはなく、静かに木漏れ日が道をてらしているだけだ。ほんのたまに行きかう人もみな、遠慮がちに会釈を交わす程度で、大きな声を出す人はいない。

自転車は停めておけるし、歩いてくる人もいるので、人がいないわけではないけれど、あたりに流れる空気は静かで、木々を揺らす風の音が流れていく。この丘に通い始めて、3年半。こんな情景は初めてだ

丘の上のちびまる子も、なにか勝手がちがうなあと思ってるのか、のびのびしている。通る人が少ないから、安心できるのだろう。たえずまわりに気を配っていなくてはならない公園の猫たちにとっては、つかのまの休息になっているのかもしれない。

道を行きかう車も減り、道端では、ひさしぶりにニャンコスターがのそのそと歩いているのをみかけた。声をかけると、なんか文句でもあるんかい、と言いたげな顔を向ける。

君のねぐらもわかったし、ちゃんと餌ももらっているのがわかって安心だよ。

すずくんと三毛子は、あいかわらず窓越しの恋か? 顔をあわせると、けっこう長い時間みつめあったまま動かない。三毛子は人間よりも猫同士のつきあいが好きなようだ。里親候補さんのお宅には先住猫が3匹いるそうだから、三毛子も退屈しないだろう。

コロナウィルスという、妖怪みたいな、わけのわからないものが出てきてたちまち広がり、オリンピックにむかって浮かれぎみだった日本の空気が一変した。人々が怖れているものの正体は、まだ皆目わからない。いろんなニュースが飛びかう中、猫だけはのんびりとしている。