猫の中に猫

猫の魅力の一つに、生まれ持った体毛の模様がある。人間の顔のように千差万別、そこが面白い。

最近気がついたことだが、三毛子の背中の模様のなかに、ともすると猫の形が見え隠れする。近ごろは、上から垂らしたチェーンとじゃれるのが面白いらしく、よく遊ぶ。ジャラジャラという音がいいみたい。

ネットでみたのだけれど、塗り猫屋という漫画の話で、三毛猫が背中の模様をロシアンブルーの色に変えてほしいと願うと、おまえには今のが一番似合っていると言われたという

ほんとにそうだなあと思う。三毛子の模様がロシアンブルーだったら、たぶん魅力が半減だ。

そんなふうに考えてみると、人間の顔だって、きっとそうなのかもしれないと思う。私も子供のころから、鏡を見ては、美人に生まれていればなあと溜息をついていたものだ。

若いときには、きれいな友達と歩いていると、すれちがうの視線が必ず友達のほうに行くことに勝手に傷ついていたが、いつのまにか他人の視線が気にならなくなって、シワもシミも顔の模様となった今では、ワタシはワタシなのだと思ようになった。

というわけで、猫の模様をもう一つ。三毛子は外には出さないことにしているので、いつも窓越しにしか会わない隣家のスズくんが、先日、庭におでましになった。この子の顔も特徴的。歌舞伎顔なのだ。眼がくっきりとくまどられている。口許の模様は神様のお遊び。

ううん、なかなかに立派な顔なんです。そして、顔のくまどりと体の模様がじつにみごとにマッチ。きっと神様はその子その子に似合った模様をつくってくださったんだね。

そのころ、三毛子はキャットタワーで遊んでいて、いつも窓越しにみつめあう彼には残念ながら気づかずじまい。

三毛子もきっと神様が三毛子らしい紋様にしてくださったんだね。そういえば三毛子の口許にも、チョンと、神様が墨を垂らした跡がある。