このごろ、ときどき、富士山が顔を出してくれるようになった。
ある著名な方の本に、腹が立ったときには、「おんにこにこ、腹立てまいぞやそわか」と唱えるといいと、書いてあった。不思議と腹立ちがおさまるらしい。その本を読んでからだいぶたつけれど、このごろよく、その言葉を思い出すようになった。
これまで、餌やりについての注意書きのビラを貼っては何度も剥がされ、水入れの皿も数えきれないほど捨てられていたが、そんな行為をしていたグループの存在がわかってきた。いろんな人の話から推察すると、午前中にやってくるグループだということがはっきりしてきた。
なぜ、彼らがそんなことをするのかというと、ずいぶん前から置き餌を続けていて、市役所が警告の立て看板を立てたことに腹を立てたものらしい。そして、彼らはあいかわらずルールを守っていない。
彼らが、チビまる子のためだといっては置いて行く餌を目当てに、イノシシやカラス、ハクビシンが出没するようになったのは事実だろう。夕方、すぐ近くにイノシシがいたこともあった。
そのグループと直接話をしたこともあったが、夕方、私が行くころには相変わらず、餌には虫がたかり、猫たちも食べていない。夜中に、イノシシなどが出てくると困るから、しかたなく、私は、その片づけをして帰ることにしている。もう、二年になる。餌のことが原因で、猫たちに厳しい目を向けられないともかぎらないし。
他人を変えることなんてできないのだから、おんにこにこ、腹立てまいぞや、そわか、だ。
石の上で、小さな毛虫が、まる子の下敷きになりそうになっていた。こんな小さな虫にとってまる子は、きっと超巨大な存在。それでも必死に歩いていた。嫌いな毛虫も、今はなんだかいとおしくなってくる。
坂道で拾ってきたドングリ。我が家のサボちゃんも、成長を続けている。
いつまでも、おんなじところをぐるぐる回ってばかりもいられない。残されている人生の時間は、もうそれほど多くはないのだし。少しだけグダグダしたあとは、好きなものでも食べて、また元気になろう。
そう考えて、帰りはスタバに寄ってちょっと道草。しばらく我慢していたケーキと抹茶ラテを頂いた。外に出ると、テラスに凛々しい甲斐犬がいて、めずらしいので、遊んでもらってまた道草。帰りがすっかり遅くなってしまった。