桜猫

咲きかけた桜の下で、まる子が干し草をベッドにして、ぐるぐる。そこにチビもやってきて、おいらにもベッド、という感じでまる子のそばへ。

静岡の桜の開花は例年より10日以上も遅れているそうだ。池のほとりの桜はまだ数輪という感じだが、丘の坂道や上は三分咲きくらい。朝晩の気温が低いからか、たしかに開花が遅い。

夫と遊ぶのが好きなまる子は、あとをついて歩く。桜並木の前でさんざん遊んでくたびれたら、桜の樹の下にトットッと歩いて行き、干し草のベッドに直行だ。

夫は昔、少年野球チームのコーチをしていて、子供に人気があった。今ではすっかりおじいさんだけれど、そのころはわりとかっこいいおじさんだった。息子が野球のチームに入っていた関係でコーチになったのだが、どうも息子の指導はうまくいかなかったようだ。

息子と夫は小鳥やら犬やら連れてきては、私を困らせたものだ。そういういきさつもあってか、夫は途中で会うワンコたちにも好かれていて、彼をみると全力で走ってくるワンコもいる。

昔、息子が小学校に入ったばかりのころだった。メジロの雛が巣から落ちて、もう少しで猫にやられるところを息子が拾ってきたことがあった。すり餌を雛の口に近づけてやると、大きな口をあけてよく食べた。メジロは飼ってはいけない鳥なのだと息子に言い聞かせ、少し大きくなったころを見計らって家の中で飛ぶ練習をさせてから空へと放してやった。するとメジロは想像もつかないほどの速さで一気に高みまで飛び、まるで別れを告げるように空を大きく三周して去って行った。

小鳥を飼っていたころは、猫が敵にみえたものだが、今では猫三昧。嵌まると底がなくなる性格だ。

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