いつもは夕方から夜にかけてやってくる三毛子が、今日はなぜか午前中から、しかも単独で玄関前に座っていた。あとからくっついてくるはずのグレイの二匹が見当たらない。これはチャンスと裏口の方へと誘導し、餌をやると夢中で食べ始めた。よほどお腹が空いていたのだろう。
食べ始めたところ。
ちょっとこちらをみては、また食べ始める。
これまではこちらが動くとすぐに逃げるのに、今日はこっちをみただけで逃げなかった。開き戸の玄関扉よりも引き戸のほうがしめやすいので、いよいよチャンス到来。三毛子の好きなチュールを入れた皿を廊下へ置くと、なんと中へ入ったのだ。昨日の夜、玄関で食べたあと、外へ出してやったのが効いたのだろう。
夢中で食べているのをみて、まずは網戸を閉めた。すると三毛子は網戸とカーテンを上ったり降りたり。急いでガラス戸を閉めると、今度はガラス戸に何度も体当たり。だめだとわかったらしくて、カーテンレールへ移動。
そしてカーテンレールから、帽子や雨合羽などを置いている棚へと移動。少しだけ落ち着いた様子。
恐怖からか固まったまま動かないので、しばらくそのままにしておいた。時間がたってもまったく動く様子がなく、丘の上のチビまる子のもとへと行く時間が近づいてきたので、爪とぎの板をとりつけたケージへ入れることにした。
けれども、高いところから捕まえてケージへ入れるのはかなり難しそうで、毛布をかぶせておろすことにした。夫が毛布をかぶせようとすると暴れまくり、さらに上へと行こうとするが、行けるわけもなく、ケージへと。
そのままにして、チビまる子のもとへと行った。外はひどい降りで、カッパを着てもびしょ濡れ。チビとまる子も傘の中でそそくさと食べたあとは、すぐに雨のあたらないところへ引っ込んでしまった。
それでこちらも急いで帰ると、今度はグレイの2匹が庭で待ち構えていて、三毛子を探す声で鳴く。三毛子も応えるように助けを呼ぶ。内と外で、合唱が始まった。それはそうだよね、いつも一緒にいた3匹だもんね。
ケージの中は、水の皿も餌皿もひっくり返っていた。きっと、逃げ出そうとして暴れ回ったものらしい。それらを整えて、廊下からリビングへとケージを移動した。あったかいのか、ときおりうつらうつらするようにはなったが、あいかわらず固まったまま、動こうとはしない。
おちつくかなあと思い、毛布をかけて暗くした。
かなりくたびれている顔になった。それはそうだ、ずっと固まったままだもの。私たちが寝たあと、この中でまた暴れるつもりかなあ。
仲良しの猫たちと離してしまい、ごめんな、三毛子。でもな、おまえはよく車の下にいて、エンジンをかけても動かないから、これはもうなんとかしなくちゃと思ったんだ。相棒のようにならないために。しばらくは我慢してね。きっといいことがあるようにするからね。
今日は雨だったが、満月の日。ワームムーン(worm moon)。土の中から虫などが眠りからさめて顔を出し始めるよ、という意味で、虫の月という意味なんだそうな。夜の11時を回って満月を写したが、三毛子は相変わらずケージの上段で固まったまま、鳴き声すら出さない。大丈夫かなあ、心配になってきた。