嵐のあと

昨夜の0時過ぎからだった。強風というよりも暴風が吹き荒れた。前の台風もすごかったが、今回はさらに狂暴だった。雨戸を閉めていても風で押されているのがわかった。雨戸ごと壊れてしまうのではないかというほどの強さ。こんなのは生まれて初めてだ。チビまる子はいったいどうしているのかと気になったが、どうしようもない。

今日は、快晴。そして暑い。これまで、午前中に丘に行ってくれていた人が最近は行っていないようで、午前中の様子がわからない。電話をしてみると、やはり、行っていないという。あわてて支度をして家を出た。

坂道の途中に、折れた枝がほかの木にひっかかり、逆さにぶら下がっているのがみえた。だが、ほかにはとくに折れている木がみつからなかったので、少し安心していたが、チビもまる子も一時間待っても出てこない。あちこち探し回っていると、とんでもないものに出会った。猫を探しながら登ってきた道とはちがうほうへ行ってみると、大木が何本も根こそぎ倒れていた。

 

このあいだは東向きの斜面の木々が折れていたが、きのうは風の向きが反対だったようで、西向きの斜面の木々がやられている。しかも根こそぎだ。なんという光景だ。こんなのはみたことがない。

近くにまる子がよく入っている土管があるので、行って呼んでみると出てきた。よかった。まる子がいれば、そのうち、チビも出てくるだろうと考えた。

とりあえずまる子を、いつも餌をやっている場所へと連れて行く。あとをついてきたが、しきりにまわりを気にしている。

お腹をすかせているかと思ったら、意外に食べない。強風であたりの様子が様変わりしているので、落ち着かない。少しだけ食べたあとは、もう、毛繕い。そして、そそくさと草むらに隠れ、いくら呼んでも出てこない。

まる子が出てきたので、チビもと思ったが、予想は外れてさっぱり出てこないし、鳴き声も聞こえない。作ってやった居場所に行ってみると、無残だった。西向きに向いていたので、雨風がまともに吹き込んだらしく、奥のほうまで濡れ、木の葉が積もっていた。なんてことだ、これじゃあ、まったく役に立たなかったろう。前のときにはなんともなかったのに。自然の凶暴さというものは予想もつかない。猫たちにはどれほどの恐怖だったのかと思うと、胸が苦しくなった。

きてから2時間がすぎ、さらに1時間近く。すでに日は傾いてくるが、やはり、チビは出てこない。しかたがないので、今日は諦めることにした。

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