寒い日が続いている。でも、大丈夫! 今日の空は、ほんのり春色。春は空からだって、勝手にそう思った。池のそばのしだれ梅も咲いていたし、道端のなんでもない雑草も花をつけていた。
でもでもやっぱり寒い! それで、二匹は猫まんじゅう。
二匹くっついて、少しでもあったかく! しっぽまでおんなじ方を向いている。親子だなあ・・・。
まる子は、おじさんと遊ぶのが好きで、食事のあとはおじさんのあとをついてうろうろしている。太りすぎの体が重そうだ。ついに7回めの貼紙もはがされて、今日は公園の管理人さんと話しあってみた。餌を置いて行く人があとをたたない。こんなところで餌の調節をするなんて、どだい無理な話だよなあ・・・。
一方、ちびは、私のそばで私の好きなポーズを披露。
お見事な猫のポーズ。以前、ヨガの教室に行っていたころに、よくしたポーズだ。体がかたい私は前屈が苦手だった。あまりに体がかたい私をみて、インストラクターは、ポツリとつぶやいた。「あなた、これから曲げるとこなのよね」
そのとき私は悟ってしまったのだ。ヨガというのは自分には向いていないことを。だって、その時の私は、もう、精一杯、前屈していたのだから。それ以来、体にいいことを知りつつも、挑戦する気にはなれない。
帰り道、まる子は坂道のそばの崖からお見送り。たぶん、まる子から見ると、坂道はこんなふうなんだろう。
まる子の視線を感じながら坂道をおりていくと、姫がいた。
えさをボランティアの人からもらったらしく、おちついている。満腹になり、薄暗くなると姫は崖を上って行く。様子をみていると、木の洞に潜り込んでいるようだ。
晴れていると午前中は人がいっぱいだが、冷えてくる夕方はしんとして空気もはりつめてくる。そんなときには、髪まで凍った生まれ故郷のことをおもいだす。子供のころはまだ古い家で、母屋と風呂場は少し離れていた。風呂で髪を洗い、母屋まで歩くうちに洗った髪が凍ってバリバリになった。
子供のころには冬こそがおもしろくてならなかった。家の裏の坂道が凍ると橇で滑り、田んぼが凍ると下駄スケート、斜面の畑に雪が積もるとジャンプ台をみなで造り、スキーで滑降。春が待ち遠しいとか、寒いとかそんなことは考えなかった。なんてすてきな時間だったのだろうか。