この日、私は不思議な世界に迷い込んだ。日暮れの坂道で出会った小さな動物たちの世界。
桜の木の下で、猫とネズミが遊んでいた。花びらの上で遊んでいる猫たちは、レオとソラくん。猫の兄弟はぐんぐんの森に住んでいて、お友達や森の管理人もいるという。
遊びにきたネズミくんたちは、ピーマンを食べている。
桜の木の下で小さな動物たちを並べていた作者と話をしてみたら、この動物たちには物語があって、彼女のインスタグラムで公開しているのだという。とても小さなピーマンの一つ一つまで、すべて手作りだという。ステンドグラスの工房と店を持っていて、そのための写真を撮影していたようだ。なんだか、小さな世界から大きな物語が生まれているみたい。
さっそくお店を訪ねてみた。店の名前は、ステンドグラス工房ニャーゴ。その名のとおり、中には、猫をモチーフにしたステンドグラスの作品がおもに並べてある。
イメージどおりのかわいい店構え。中は撮影はできなかったが、いいなあと思うものがいくつかあって、なかなか帰れなかったくらい。
その作品は、毎日通う公園の脇にあるコーヒー屋さんにも飾ってある。これはたぶん、ソラくんだな。店にはイケメンのお兄さんがいて、丁寧にコーヒーを淹れてくれる。そばを通ると、お兄さんとお客さんたちがいつもにぎやかに談笑している。公園の風景を眺めながら、水辺で飲むコーヒーは、おいしいだろうなあ。ここのホットスポットかも。
イケメンのお兄さんは、よく笑い、とても親しみやすい。
丘の上では、タンポポが花盛り。おりおりにみせる公園の生き物たちや風景は、大きな物語のようにゆったりと眼の前を過ぎていく。ここにくると、思わぬ人に出会ったり、思わぬ世界をかいまみたりする。日常に追い立てられているときでも、時計の速度がゆるりと進む。